高山歯科医院 小豆沢診療所 院長コラム
このページでは、過去に発行された「明法会デンタル・コミュニティーニュース」からの記事を抜粋してご紹介します。
「歯科医療に関する一般生活者調査について」(2024年11月)
公益社団法人日本歯科医師会は、15歳〜79歳の男女10,000人を対象に「歯科医療に関する一般生活者調査」を実施しました。この調査は、国民の歯科医療への認識を向上し、歯科医療環境や意識の把握を目的とし、2005年から隔年で行われ、今回は10回目です。結果から、コロナ禍を経て予防意識が高まり、定期的に歯科チェックを受ける人が増加し、2018年の43.4%から48.6%に上昇しました。特に、3カ月に1回以上受診する人が59.1%と増加し、安心や予防が理由に挙がっています。
一方で、歯や口の健康が全身に及ぼす影響についての理解度は低下し、特に若年層の理解が不足していることが指摘されました。また、約8割が全国民対象の歯科健診に賛成し、早期発見・治療のメリットを認識していますが、費用負担が懸念されています。歯の喪失により「食事の楽しみ」や「コミュニケーション力の低下」が懸念される声も多く、日本歯科医師会は引き続き健康長寿社会の実現に向けた歯科医療環境の整備に取り組むとしています。
2040年問題と歯科治療(2024年10月)
「2040年問題」とは、日本が直面する少子高齢化社会において、人口減少や高齢化が深刻化する問題を指します。2040年までに、65歳以上の高齢者人口がさらに増加し、総人口の約35%を占めると予測されています。このような状況は、歯科医療にも大きな影響を与えると考えられています。高齢者の増加に伴い、歯科治療の需要が大幅に増加することが予想されますが、少子化に伴い、歯科医師や歯科衛生士などの医療従事者の確保が難しくなる可能性があります。人口減少により、医療従事者の働き手が不足し、地方を中心に歯科医療サービスの提供が困難になる地域が増えることが懸念されます。この問題に対処するため、テレデンティストリー(遠隔歯科診療)の導入や、AIを活用した診断技術の進歩が期待されています。
厚生労働省が実施している歯科疾患実態調査とは?(2024年9月)
歯科疾患実態調査とは、厚生労働省が日本全国の国民の歯科疾患の現状を把握し、歯科保健政策の立案に役立てるために行われる大規模な調査です。この調査は6年ごとに実施され、虫歯や歯周病の有病率、歯の喪失状況、口腔衛生の実態など、幅広い情報が収集されます。調査の対象は、全国から無作為に選ばれた数万人規模の国民で、専門的な検査とアンケートを通じて詳細なデータが得られます。
この調査の結果は、国民の口腔保健の現状を明らかにするだけでなく、予防歯科の重要性や健康格差の解消に向けた施策の基礎資料として活用されています。また、年代別や地域別のデータ分析により、特定の年齢層や地域における問題点も浮き彫りになり、地域ごとの保健活動の計画立案に貢献しています。さらに、歯科疾患の実態に基づく医療費の推計や、将来の歯科保険診療のニーズの予測にも役立てられています。
健康増進法と歯科(2024年8月)
健康増進法は、国民の健康維持・増進を目的とした法律であり、歯科医療もその一環として重要な役割を担っています。この法律は、生活習慣病の予防や適切な栄養摂取、運動習慣の促進などを通じて、健康寿命の延伸を目指しています。歯科に関しては、口腔衛生の向上が大きなテーマです。
口腔の健康は全身の健康に直結しており、例えば歯周病は糖尿病や心血管疾患とも関連が深いことが知られています。健康増進法に基づき、各自治体では歯科検診や啓発活動が積極的に行われています。特に、高齢者や妊婦、子どもを対象とした無料の歯科検診や、正しい歯磨きの指導、食生活の改善に関する講習会などが実施されています。
また、健康増進法は、職場や学校における健康管理の強化も求めています。これには、定期的な歯科検診の実施や、禁煙支援プログラムの導入が含まれます。職場においては、従業員の口腔健康が生産性にも影響を与えるため、企業も積極的に健康増進活動を取り入れています。
総じて、健康増進法は歯科医療の重要性を再認識させ、国民全体の口腔衛生を向上させるための枠組みを提供しています。これにより、疾病予防や健康寿命の延伸を実現し、国民のQOL(生活の質)の向上を図ることが期待されています。
口腔機能低下症とは?(2024年7月)
口腔機能低下症とは、虫歯や歯の抜けなどの問題とは違って、いくつかの口の機能が一緒に悪くなる病気です。これを早く見つけて、適切にお手入れすることで、もっと悪くならないようにでき、口の機能を保ったり良くしたりすることができます。そのためには、50歳過ぎのころからしっかり診断してお手入れをする必要があります。また、年をとるだけでなく、病気やけがなどいろんな原因で、口の機能がいっしょに悪くなる病気です。放っておくと、かむことや飲み込むことが難しくなり、栄養が足りなくなったり、全身の健康が悪くなったりします。症状として1)口の中のばい菌が増える2)口が乾く3)噛む力が弱くなる4)舌や唇の動きが悪くなる5)嚥下(飲み込むこと)が難しくなるなどがあり、診断された口腔機能低下症に対して、症状や特性に応じた管理維持向上を目指して治療を進めます。また、歯の病気の診察や治療も行い、全身の健康状態の改善も目指します。高齢者社会ではQOL向上のため今後さらに口腔機能低下症は重視されていくのです。
保険診療に子供の不正咬合の歯科診断が保険で可能になる(2024年6月)
団塊世代が後期高齢者に突入する2025年に向けて今年度は6年ぶりの医療介護同時改定でした。その中でこの6月の歯科診療報酬改定で、18歳以下の学校歯科検診を利用して新しいルールができました。これにより、特定の基準を満たす歯科医院でなくても、学校歯科検診で不正咬合と診断された用紙を持ってきた患者さんに対して、歯並びや顎の異常が疑われる場合、診断を行い、その結果を文書で学校に報告すれば、年に1度だけ保険診療で受信できるようになりました。ただし通常の診断に加えて特殊な撮影や一般的な撮影を行った場合は、それぞれ別に保険診療報酬になりますが都民は18歳以下は都が負担するため一切負担金はありません。この改定により、より多くの患者さんが必要な矯正診断を受けられるようになりました。
歯科用オートクレーブとは?(2024年5月)
歯科用オートクレーブは、高圧蒸気を利用して器具や機器を滅菌する装置です。滅菌は微生物の全てを除去するプロセスであり、包括的に芽胞を含めた微生物を死滅させます。一般的には、121°Cから134°Cの高温で圧力をかけた蒸気が使用されます。これにより、バクテリアやウイルスなどの病原体が完全に除去され、再利用する器具が清潔かつ安全な状態になります。一方、煮沸などの殺菌は微生物を減少もしくは、多くの微生物を除去することができますが、芽胞等を完全に除去することはできません。歯科医療において、滅菌は感染症のリスクを最小限に抑え、患者の安全を確保するために不可欠です。
本院では高温に耐えられない器具についてはディスオーパーと言う炭疽菌以外は死滅する薬液に5分以上漬けて対応しています。
Q:なぜ2年ごとに保険診療の診療報酬を改定するのか?(2024年4月)
A:国は医療機関の経営実態や国民の経済環境を踏まえ、適正な水準にするために毎年ではなく2年ごとに行っていますが、介護報酬は3年後毎に改定されています。歯科では金属の価格の上下が激しいため金属冠の診療報酬は年2回前後改定があり不安定なこともありますが、物価の変動、人口動態の変化、疾病の変化に合わせて安全安心の医療を国民に提供するために国はいろいろな調査しながら高齢者社会に向けて医療機関の混乱を避けるため診療報酬を短期の1年ごとではなく2年ごとに治療費の公定価格を決めているのです。
GLIM基準とは?(2024年3月)
GLIM criteria(GLIM基準)は、日本臨床栄養代謝学会(JSPEN)を含む世界各国のParenteral and Enteral Nutrition(静脈経腸栄養)関連学会の代表者が協力し、低栄養の診断に関する初の世界標準基準を策定したものです。GLIM基準は、患者が低栄養状態にあるかどうかを明確に診断するためのフレームワークを提供しています。 これらの基準は、身体組成、炎症、食物摂取、病状(疾患や外傷など)など、複数の要因を総合的に考慮して患者の栄養状態を評価します。GLIM基準の導入により、異なる国や地域での栄養状態の評価が統一され、国際的な比較や研究が容易になりました。これにより、低栄養患者への適切な栄養ケアの提供が促進され、臨床実践における統一性と効果が向上しています。GLIM基準は、栄養医学の進展と患者ケアの質の向上に寄与している重要な取り組みと言えます。今後更に注目されていく基準の様です。
数年前より慢性腎不全で週に3回近医で人工透析を行っています...(2024年2月)
Q:数年前より慢性腎不全で週に3回近医で人工透析を行っています。かかりつけ歯科医院で虫歯が深いためその歯を抜いたほうが良いと言われました。抜歯しても大丈夫でしょうか?
A:人工透析を受けていることや心臓疾患・貧血などの合併症の有無についてかかりつけ歯科医に伝えてください。人工透析は、ヘパリンという血液がサラサラになる薬を使用します。そのため抜歯中や抜歯後に血が止まらなくなることがあります。その予防として透析翌日に抜歯を行うことが推奨されています。術後は感染のリスクがあるので抗生物質が必要です。現在の腎機能やお薬の種類によって使用する量が異なるため、かかりつけ歯科医と相談して下さい。(日本有病者歯科医療学会ホームページより)
デンタルナースとデンタルハイジニストの違い(2024年1月)
日本の歯科衛生士は、デンタルハイジニストになりますが海外では、デンタルナースとデンタルハイジニストの二つが有り今回はこの違いについて説明します。
*デンタルナースとは?
[役割]歯科医師を補助し、診療室で患者のケアをサポート。患者の応対、歯科手術の補助、器具の手入れ、診療室の準備など、広範な業務に従事。
[資格]通常、歯科助手や看護のトレーニングプログラム修了が必要。国や地域により異なる資格要件がある。
*デンタルハイジニストとは?
[役割]予防的な歯科ケアに焦点。歯垢や歯石の除去、歯周ポケットの測定、歯周病のスクリーニング、フッ素塗布、口腔衛生指導が主な業務。口腔健康の向上をサポート。
[資格]歯科衛生士のトレーニングプログラム修了が必要。国や地域により、歯科衛生士のライセンスが必要な場合も。
総じて、デンタルナースは歯科医師のサポートが主な任務で、広範な診療業務に従事。一方で、デンタルハイジニストは口腔予防に特化し、歯科医療の予防と患者教育に焦点を当てています。これらの職種の違いは、日本を含む国際的な歯科医療の枠組みで共通しているようです。
新潟大学の研究チームが1型糖尿病における歯髄創傷遅延のメカニズムを解明と2023年11月に発表!(2023年12月)
糖尿病には1型と2型があります。1型糖尿病は小児期の最も一般的な慢性疾患の一つであり、自己免疫により膵β細胞が破壊され、インスリンの不足が引き起こされる特徴があります。これにより、持続的な高血糖が様々な慢性合併症を引き起こします。1型糖尿病患者は高い血糖値によって免疫系の異常が引き起こされ、口腔内の疾患が進行しやすくなります。その中でも、歯周炎やむし歯などの口腔疾患が顕著です。新潟大学の研究では、1型糖尿病モデルラットを用いて歯髄創傷治癒の遅延メカニズムを詳細に解析しました。この研究の結果からは、1型糖尿病モデルラットでは歯髄の修復象牙質の形成が遅れ、未熟な象牙芽細胞様細胞が増加していることが示されました。また、マクロファージと言う成分の分極にも変化が見られ、炎症促進機能を有するM1マクロファージが増加し、治癒促進機能を有するM2マクロファージが減少していました。なお、1型糖尿病とは対照的に、2型糖尿病は主に成人期に発症する疾患であり、主にインスリンの効果不足や体内での効果の低下が原因とされます。今後、2型糖尿病における歯髄創傷治癒メカニズムにも焦点を当てられ更に歯科医師の日常の診療の助けになると思われます。
「掌蹠膿疱症診療の手引き2022」(2023年11月)
昨年、日本皮膚科学会が発表した「掌蹠膿疱症診療の手引き2022」によれば、掌蹠膿疱症は手掌と足蹠の皮膚に無菌性の膿疱を形成し、ひび割れや膿胞の多発が生じ、痛みやQOLの大きな制約を引き起こす疾患です。この病変は、掌蹠膿疱症性骨関節炎などの合併症を引き起こすことがあり、扁桃炎や歯性感染症などが誘因とされています。この疾患に対処するためには、皮膚科だけでなく整形外科、耳鼻咽喉科、リウマチ科、歯科など、複数の医療科の連携が不可欠です。しかしこの連携は容易ではなく、課題が多いとされています。 また、掌蹠膿疱症の原因について、口腔内で使われている金属アレルギーが5%しか関与しておらず、歯周疾患の治療が軽快する例が多いため、歯科の対応が重要であると指摘されています。この手引きは、医科と歯科の連携を促進し、掌蹠膿疱症とその合併症に苦しむ患者のQOL向上を目指すための重要な情報源として期待されています。
日本歯科医師会は健康寿命の延伸に向けた疾病予防・重症化予防に貢献をめざす(2023年10月)
健康寿命の延長は、現代の課題であり、歯科の側面からも重要な役割を果たす。歯の健康と全身の健康、歯周病と全身疾患の関連性などに関するエビデンスが増えてきており、口腔内の健康維持が健康寿命延長に寄与することが明らかになっている。そのため、ライフステージに合った歯科健診の充実が不可欠である。歯周病が日本人の歯の喪失の主因であることを考慮すると、歯周病の予防対策が急務である。高齢になっても自分の口で食事をすることは健康の基本であり、歯周病検診を法制化し、対象を拡大することが目指されている。しかし、健診は歯周病の早期発見に留まり、重症化予防には不十分である。したがって、エビデンスに基づいた歯周基本治療やメインテナンスの評価を向上させ、診療報酬に結びつける取り組みが必要である。歯科医療の予防項目が保険適用外であるため、予防歯科の普及には課題があるが、予防給付の拡大に向けた方策を検討する必要がある。また、オーラルフレイル対策の普及と認知度向上も重要であり、日本歯科医師会はこれに取り組んでいる。オーラルフレイルは、適切な対応で可逆的であり、医療モデルで示すことが検討されている。高山歯科医院も同じ目標に向け活動を続けて行きます。
地域包括ケアシステムにおける歯科医療機関等の役割とは?(2023年9月)
地域包括ケアシステムにおいて、歯科医療機関の役割は極めて重要です。そのため国と地方自治体は、歯科医療機関が果たすべき役割と機能を明確に定義し、地域の保健活動と訪問歯科診療を中心にした医歯科連携を強化する必要があります。我々歯科医療従事者は地域ケア会議などにおいて主導的な役割を果たし、歯科保健医療の必要性を明示的に伝えていくことが不可欠です。歯科保健に関する啓発活動や情報提供は、地域社会における健康づくりに寄与するでしょう。国や関連団体は、歯科医療機関と他の関連機関との連携を円滑に行うための人材育成を推進すし歯科医療と一般医療の連携がスムーズであれば、患者の総合的なケアが向上し、健康な生活を支えることができます。
地域包括ケアシステムにおいて歯科医療機関の役割は多岐にわたり、地域の健康づくりに不可欠なのです。今後、医療連携強化、専門性の向上、継続的な教育・研修などが、歯科医療の質と患者の生活の質、さらに健康寿命延長を向上させる鍵となるでしょう。
かかりつけ歯科医機能とは?(2023年8月)
日本の歯科医療において、患者が一定の歯科医療機関(歯科医院や歯科診療所など)を主治医として定期的に受診し、健康管理や患者の健康状態の把握を行う制度のことを指します。
かかりつけ歯科医機能を持つことで、以下のようなメリットがあります:
①定期的な検診による早期発見:定期的にかかりつけ歯科医を受診することで、口腔健康の変化や問題を早期に発見し、適切な対応を行うことができます。
②健康管理と予防:かかりつけ歯科医が患者の口腔健康を継続的に監視し、予防策を提案することで、虫歯や歯周病などのリスクを減らすことが可能です。
③連携した治療:かかりつけ歯科医は患者の口腔健康状態をよく把握しており、必要に応じて他の専門家や医療機関と連携した治療計画を立てることができます。
以上のように、かかりつけ歯科医機能は、患者の口腔健康を維持するため、さらには健康寿命を延ばすために重要な制度であり、日本の歯科医療において広く普及するように行政は各種研修会参加を推奨しております。院長の高山が時々講師として講義している内容もその一環です。かかりつけ歯科医機能は患者と歯科医師との信頼関係を築きながら、より良い口腔健康を目指すことが期待されています。
歯科領域でのAI(人工知能)の活用について(2023年7月)
歯科診断の支援としてAIは、画像解析やパターン認識の能力を活かして、歯科診断の支援に役立てることが可能性が出てきました。例えば、AIを用いてレントゲン画像やCTスキャン画像を解析し、虫歯や歯周病の診断を支援するシステムが開発されています。AIは大量の画像データを学習し、異常や疾患の特徴を抽出することが得意のようです。これにより、より早く正確な診断結果を得ることが可能となることが考えられます。また、治療計画においてAIは歯科治療の計画立案にも活用できるように勧められています。また、顎の骨の形状や歯列の位置情報を基にしたシミュレーションを行い、最適なインプラントの位置や矯正治療の計画を立てる等一部行っているようです。ただし、現段階ではまだ実用化には至っておらず、研究や開発の段階ですAIを用いたチャットボットや音声アシスタントが開発されており、患者の質問に対して自動的に回答したり、予約の管理を行ったりすることが可能になりつつあります。今後もAIはさらに進んでいくものと思われます。
日本有病者歯科医療学会の認定医・専門医・指導医について(2023年6月)
日本有病者歯科医療学会の認定医・専門医・指導医は高齢化が進行する今後の人口動態を考えると、現在の体制では有病者歯科医療に対応することは困難であると考え対応能力を会員に身に付けるための目標、指標として創設されました。言い換えると学会認定医制度は、「歯科医学と医学との協調のもとに基礎疾患を有する患者の歯科医療を安全に、そして安心して行える全身管理を主体とした医療の促進」という学会設立趣旨のもと、より高度な有病者歯科医療を行う医療従事者を育成することをその意義とするとしています。医療法人社団明法会の髙山歯科医院の千川診療所は日本有病者歯科医療学会の認定研修歯科診療施設になっています。
医療DXとは ?(2023年5月)
DXとは「Digital Transformation(デジタルトランスフォーメーション)」の略称で、デジタル技術によって、ビジネスや社会、生活の形もしくはスタイルを変えることだそうです。また医療DXとは、保健、医療、介護の各段階(疾病の発症予防、受診、診察・治療・薬剤処方、診断書等 の作成、診療報酬の請求、医療介護の連携によるケア、地域医療連携、研究開発など)において発生する情報やデータを、全体最適された基盤を通して、保健、医療や介護関係者の業務やシステム、 データ保存の外部化・共通化・標準化を図り、国民自身の予防を促進し、より良質な医療やケアを受けられるように、社会や生活の形を変えることであると考えられているようです。しかしサイバーセキュリティ対策について、これまで診療録管理体制加算などで、セキュリティ安全管理体制にかかる要件を設定するなどの対応を行ってきたが、サイバー攻撃などに対してどのように対応すべきか? 今後の人口減少社会の中で医療従事者の勤務環境改善を進めるにあたり、医療DXによる取り組みを 診療報酬の中で評価することについてどのように考えるか?など検討課題があります。
マイナンバーカードと保健証を紐付けするメリットとは?(2023年4月)
1)より良い医療を受けることができます!
医療機関を受診した際に、お薬の情報や特定健診の結果の提供に同意すると、医師等からご自身の情報に基づいた総合的な診断や重複する投薬を回避した適切な処方を受けることができます。
2)窓口で限度額以上の支払いが不要になります!
高額な医療費が発生する場合でも、マイナンバーカードを保険証として使うことで、ご自身で高額な医療費を一時的に自己負担したり、役所で限度額適用認定証の書類申請手続きをする必要がなくなります。
3)マイナポータルで確定申告の医療費控除がカンタンにできます!
マイナポータルから保険医療を受けた記録が参照できるため、領収証を保管・提出する必要がなく、簡単に医療費控除申請の手続きができます。 イメージ図 就職・転職・引越後も健康保険証としてずっと使えます!
新しい健康保険証の発行を待たずに、医療機関・薬局で利用できます。
4)就職・転職・引越後も健康保険証としてずっと使えます!
新しい健康保険証の発行を待たずに、医療機関・薬局で利用できます。
ただし今のところ訪問歯科診療ではマイナンバーカード対応検討中のようです。
明法会デンタルの管理栄養士(2023年3月)
管理栄養士は、厚生労働大臣の免許を受けた国家資格です。病気を患っている方や高齢で食事がとりづらくなっている方、健康な方一人ひとりに合わせて専門的な知識と技術を持って栄養指導や給食管理、栄養管理を行います。一方、栄養士は都道府県知事の免許を受けた資格で、主に健康な方を対象にして栄養指導や給食の運営を行います。
明法会デンタルは、管理栄養士が法人内で2名勤務しており乳幼児期から高齢期、特に在宅まであらゆるライフステージで、個人の食事や栄養についてアドバイスをしたり、栄養状態の管理を行い、管理の必要な患者さんの食と栄養の専門職としてサポートできる体制を整えています。
国の健康寿命延長策?(2023年2月)
現在日本は、少子高齢者社会の影響も含め生活習慣の変化により、疾病構造が変化し、疾病全体
に占める癌、虚血性心疾患、脳血管疾患、糖尿病等の生活習慣病や認知症の割合が増加しているのは周知の事実です。これら生活習慣病等に係る医療費の国民医療費に占める割合はさらに大きくなっています。
また、人生100 年時代を迎えようとしている中で、国民誰もが、より長く、健康に生活できることが重要であり、予防・健康づくりの取組をさらに進めていく必要がありますが、ここでの問題の一つとして平均寿命と健康寿命の格差があります。
厚生労働省では、平成12年より生活習慣病やその原因となる生活習慣の改善等に関する課題について歯科医療についての項目も含め目標等を選定し、国民が主体的に取り組める新たな国民健康づくり対策として「21世紀における国民健康づくり運動(健康日本21)」計画を始めました。さらに平成25年からは、健康日本21の残された課題克服のため「21世紀における第二次国民健康づくり運動(健康日本21(第二次))」を新たに今年までの計画を立てています。
こうした健康日本21(第二次)の評価の結果や、国民の健康を取り巻く現状・課題等を踏まえ、令和6年度から開始予定の次期国民健康づくり運動プランの策定に向けて、厚生科学審議会地域保健健康増進栄養部会に「次期国民健康づくり運動プラン(令和6年度開始)策定専門委員会」を昨年9月に立ち上げましたが、頭初述べた通り、健康寿命延長させる費用対効果抜群の医療政策は今後も検討進行されるでしょう。
服薬アドヒアランスとは?(2023年1月)
服薬アドヒアランスとは、患者自身が自分の病気を受け入れて、歯科医師、医師の指示に従って積極的に薬物療法を受けることを言います。医療機関でで歯科医師、医師が必要と考え処方された薬剤を適正に服用しているかが重要なのです。この服薬アドヒアランスの遵守は本来薬剤有害事象のリスク軽減につながります。 また服薬アドヒアランスの低下は服薬の手間、飲み忘れをきっかけとした意識低下、治療効果の実感がない、短期的な自覚症状の改善などを理由とする自己判断での服用中止、あるいは残薬の服用や過剰摂取などが要因となっていますが、特に、高齢者ではポリファーマシーの以外にも認知機能低下や摂食・嚥下障害なども影響します。 しかし一部の医療機関側でもまだ薬のポリファーマシーすなわち副作用について十分理解されておらず厚生労働省はこの点の問題意識に最近重点を置き始めています。薬の副作用も含め今後更に改ざんされて行くでしょう。
マイナンバーカードの健康保険証利用について(2022年12月)
マイナンバーカードの健康保険証利用について歯科医師等と共有できる情報は、今のところ、薬剤情報・特定健診等情報のみらしいですが、今後、国は、手術の情報などの項目が対象となる 予定といわれておりさらに多くの情報をもとに診療を受けることが出来るようです。また電子処方箋の仕組みを構築する予定といわれており薬剤情報の共有が将来的にリアルタイムになるようです。 現在対象になっていない生活保護受給者の医療券等も対象にするなど順次対象を広げていくそうです。髙山歯科医院も遅くとも来年4月までにはマイナンバーカードで対応できるように現在手続き中です。
財政的な理由による在宅医療の必要性とは(2022年11月)
人口層の大きい団塊世代が高齢化している現在、社会保障費が急上昇 しています。そこで国は在宅医療によって入院医療費の抑制 を図るため、高度医療の必要性が低い患者さんを在宅医療に誘導して医療費の抑制を行っています。また 在宅医療で「お看取り」することに増え続ける医療費の抑制効果があるといわれていますがそれは 一生分の医療費のうち、半分が最後の1年にかかるというデータがあるからとの事です。今後さらに 急性期治療を終えた慢性期・回復期患者の受け皿として、終末期ケアも含む生活の質を重視した 医療としての在宅医療のニーズは高まっていくでしょう。
10月から後期高齢者の窓口負担割合の変更!(2022年10月)
国は少子高齢化が進展し、令和4年度以降、団塊の世代が75歳以上の高齢者となり始める中、現役世代の負担上昇を抑えながら、全ての世代の方々が安心できる社会保障制度を構築することが重要と訴えています。
このような状況を踏まえ、医療保険制度における給付と負担の見直しを実施するとともに、子ども・子育て支援の拡充や、予防・健康づくりの強化等を通じて、全ての世代が公平に支え合う「全世代対応型の社会保障制度」を構築することを目的として、昨年の通常国会において、健康保険法等の一部を改正する法律が成立しました。
この法律により、今月1日から、現役並み所得者を除き、75歳以上の方等で一定以上の所得がある方は、医療費の窓口負担割合が1割から2割に変わりましたのでご注意ください。
なお、救済処置として窓口負担割合が2割となる方には、外来の負担増加額を月3,000円までに抑えるなど対策がありますが、ちょっと分かりづらいところもあり詳細は区役所などでご相談してください。
10月から後期高齢者医療における窓口負担割合の見直しへ(2022年9月)
国は現役世代の保険料負担の上昇を抑制するため、後期高齢者の患者負担割合への一定の所得がある方への2割負担の 導入について令和4年10月1日から施行する事になった様です。医療費の2割負担となる高齢者は課税所得が28万円以上かつ「年金収入+その他の合計所得金額」が 200万円以上の方が2割負担の対象との事、単身世帯の場合。複数世帯の場合は、320万円以上で対象者は約370万人になる見込みだそうです。また被保険者全体(約1,815万人)に占める割合は、20%との事です。また、長期頻回受診患者等への配慮措置として、 2割負担への変更により影響が大きい外来患者について、 施行後3年間、ひとつき分の1割負担の場合と比べた負担増を、 最大でも3,000円に収まるような措置を導入するとの事です。団塊世代がピークに達する2025年に向けて政策です。
健康寿命の延長による平均寿命との差の縮小は財政的にも重要(2022年8月)
団塊ジュニアが就職氷河期に当たりその影響で更なる少子高齢化が進んでいる現在、国民一人ひとりの生活の質を維持し、社会保障制度を持続可能なものとするためには、健康寿命の延伸とともに平均寿命との差を縮小することが重要と国は考えています。
代表的なものとしては「健康日本21(第二次)」や「健康寿命をのばしましょう。」があります。さらに「スマート・ライフ・プロジェクト」や「健康寿命延伸プラン」などでは、健康寿命の延伸が前面に出ていますが、もう一つの真の目標は平均寿命との差の縮小により総医療費削減なのです。
その一環で「国民皆歯科健診」が医療費削減に費用対効果が良いデータが示されています。
日本の再生医療のルールとは(2022年7月)
再生医療については、平成26年9月に、世界で初めてiPS細胞を用いた移植手術が行われるなど、着実に成果を上げていますが、再生医療は、これまで有効な治療法のなかった疾患の治療ができるようになるなど、国民の期待が高い一方、新しい医療であることから、安全性を確保しつつ迅速に提供する必要があります。このため、平成26年11月に「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」と併せて、「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」を施行し、再生医療等の安全性の確保に関する手続きや細胞培養加工の外部委託のルール等を定めました。(厚生労働省のホームページより)
また、関係省庁と連携し、基礎研究から臨床段階まで切れ目なく一貫した研究開発助成を行い、臨床研究やiPS細胞を用いた創薬研究に対する支援など、再生医療の実用化を推進する取組みを実施しています。
国民皆歯科健診の導入検討(2022年6月)
先月末、骨太の方針2022の原案が発表され、今国会で議論され「いわゆる国民皆歯科健診」が施行されそうです。歯が多く残っていれば医療費削減だけで無く健康寿命延長に寄与する事が近年分かって来ているのが大きな理由ですが、成人で歯科健診受診者数が少ないため今後の超高齢社会に向けて全国民の口腔内維持向上を狙っての法律です。以下抜粋します。
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全身の健康と口腔の健康に関する科学的根拠の更なる集積、生涯を通じた歯科健診(いわゆる国民皆歯科健診)の具体的な検討、オーラルフレイル対策・疾病の重症化予防につながる歯科専門職による口腔健康管理の充実、歯科医療職間・医科歯科連携を始めとする関係職種間・関係機関間の連携、歯科衛生士・歯科技工士の人材確保、さらに歯科におけるICTの活用を推進し、歯科保健医療提供体制の構築と強化に取り組む。また市場価格に左右されない歯科用材料の導入を推進する。
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医療費削減目的のために適応拡大 された在宅患者訪問口腔リハビリテーション指導管理とは?(2022年5月)
2022年4月からの歯科診療報酬改定が行われました。国は多くのデータを元に口腔機能低下症の患者さん向けに在宅患者訪問口腔リハビリテーションの適応を拡大し食べる能力強化によるQOL向上、医療費削減を目的に歯科診療導入しました。 しかしこの治療を受けるためまずは検診にて口腔内、嚥下力の把握のため頸部聴診、最新の舌圧力測定器、口腔内乾燥度測定器等で嚥下を評価して専門的に問題を細かく探し出す必要があります。 その結果、継続的な管理が必要な患者さんについて、本人もしくはご家族等の同意を得て口腔機能評価に基づく 管理計画を作成して管理して嚥下力の向上維持のための治療を行うことが出来る制度が在宅患者訪問口腔リハビリテーション指導管理で歯科医療機関は嚥下力の向上、維持のため主にプラークコントロール、歯周基本治療等行いその上で摂食機能療法に準じた訓練等を行うこととなります。希望の方には明法会では常勤の管理栄養士の指導も受けることも可能です。 これなにご興味ある方は是非ご相談下さい。
日本歯科有病者医療学会とは?(2022年4月)
院長の高山が理事を務めている日本歯科有病者医療学会は、医学の進歩や文化の発達などに伴い、日常の歯科診療で全身的になんらかの配慮を必要とする基礎疾患を有した患者(いわゆる有病者)の占める割合が増加するであろうと、1990年9月26日、「開業歯科医院で対応し得る医学的知識の研鑽あるいは臨床に直結した全身管理を普及させることを目的に」学会設立準備委員会を立ち上げ、1991年4月27日、正式に学会として発足致しました。そして、1992年2月29日・3月1日の両日、第1回日本有病者歯科医療学会学術大会・総会(日本歯科大学)が開催され、今日まで毎年欠くことなく年次学術大会・総会が開催されております。コロナ禍の今年4月は初めての沖縄で学術大会が開催されますが高山歯科医院はZOOMで発表する予定です。
老化(2022年3月)
「老化」とは一般的に、成熟期以降に起こる生理機能の衰退を意味し、遺伝的な要因や外界からのストレスに対し、適応力が低下することで起こる変化ですが、70 歳代に達すると、脳、腎臓、肺、筋肉などの細胞数は、その人の最盛期の60%程度になるといわれているそうです。老化のメカニズムとしては色々有りますが幾つか挙げておきます。
フリーラジカル説(D.Harman,1956) 突然変異説
(LSzilard,1956;H.Curtis,1964) エラー破綻説
(Z.Medvedev,1961,L.Orgel,1963) タンパク質架橋説(F.Verzar,1964;JBjorksten,1968;R.Kohn,1971) 異常タンパク質蓄積説
(D.Gershon,1970;R.Cutler,1975) 生体膜異常説
(I.Nagy,1978) 細胞分化異常説(R.Cutler,1982) ミトコンドリア異常説
(D.Harman,1972;A.Linnane,T.Ozawa,1989)
色んな説がありますが逆に言うと完全には解明されていない証ではないでしょうか?
国際口腔インプラント会議とは?(2022年2月)
院長の高山が昨年評議員となった国際口腔インプラント会議(WCOI)と言う団体がありこの組織は1975年にデンタルインプラント学に関する世界の英知を集めるための第1回国際会議を京都国際会議場で開催し、臨学一体となり、諸原因で歯を喪失した患者様に旧来の治療法とは全く異なるインプラント治療を体系化するべく設立された歴史ある学際的な組織です。最近インプラント学会の団体は多く出来ており戦国時代?の様ですがそれだけ需要があると言う事でしょうか?
誤嚥性肺炎の対策(2022年1月)
誤嚥性肺炎の患者さんには,発症前からサルコペニアを含むフレイル、低栄養を認めることが多いです。また,誤嚥性肺炎の発症でサルコペニア等や低栄養がさらに悪化して,摂食嚥下機能や呼吸機能が低下しやすい特徴が有ります。 実際,誤嚥性肺炎のマウスモデルで,四肢骨格筋だけでなく呼吸筋や嚥下関連筋にも筋萎縮を認めた報告があるその結果,さらに誤嚥性肺炎を生じやすくなるという悪循環に陥りやすいのです。この悪循環を断ち切る事が重要なのです。そのために多職種での対応が求められています。
誤嚥性肺炎の悪循環を断ち切る!(2021年12月)
誤嚥性肺炎患者には,発症前からサルコペニアを含むフレイル、低栄養を認めることが多い.また,誤嚥性肺炎の発症でサルコペニア等や低栄養がさらに悪化して,摂食嚥下機能や呼吸機能が低下しやすい.実際,誤嚥性肺炎のマウスモデルで,四肢骨格筋だけでなく呼吸筋や嚥下関連筋にも筋萎縮を認めた報告がある.その結果,さらに誤嚥性肺炎を生じやすくなるという悪循環に陥りやすい.この悪循環を断ち切る事が重要です。
食支援とは?(2021年11月)
摂食・嚥下障害におけるリハビリで効果があるのは脳卒中回復期で、急性期では病気や障害を治すことが出来ますが。退院して施設や在宅に戻ると脳卒中維持期、認知症の患者さんに本当に必要なものは訓練よりも摂食・嚥下障害における食事支援などなのです。たとえば病院などでの脳卒中(急性期、回復期)などによる対応は充実傾向です。しかし脳卒中回復期を対象とした訓練・リハビリが有効なのですが、回復期もすぎ退院して在宅や施設にいる摂食・嚥下障害の患者さんのほとんどが対応はまだ不足がちです。これらの患者さんは症状は固定されており訓練・リハビリは無効なことが多く認知症が進んだ場合は指示も無効です。在宅や施設の脳卒中、認知症に伴う摂食・嚥下障害の患者さんは想像以上に多くこれらの患者さんに必要なのは訓練よりもその人に残った能力を最大限に引き出す食支援が重要なのです。
家族が気付いた認知症の初発症状とは?(平成9・10年新潟県糸魚川市高齢者こころとからだの健康調査報告書より) (2021年10月)
第1位 同じことを言ったり訊いたりするようになった(33.8%)
第2位 置忘れやしまい忘れが目立った(25.0%)
第3位 水道やガスの締め忘れが目立った(15.4%)
第4位 日課をしなくなった(11.0%)
第5位 時間や場所の感覚が不確かになった(10.5%)
第6位 以前はあった興味や関心が失われた(9.6%)
第7位 物の名前が出てこなくなった(7.0%)
第8位 財布を盗まれたという(5.7%)
第9位 だらしなくなった(5.7%)
第10位 些細なことで怒るようになった(4.8%)
口腔アセスメントガイド(OAG)とは (2021年9月)
OAGとは、欧米での使用実績があり数カ国語に翻訳されたEilers口腔アセスメントガイドのことであり、がん治療患者の口腔内の状態を評価するために1980年代に米国で開発されたツールです.当時口腔ケアの標準化がなされていないわが国ではとても貴重なツールとなり現在介護施設などでも多用されています。その理由として専門的知識を持つ歯科医師、歯科衛生士が居なくてもOAG評価を使用することによりリハビリ部門等との連携による口腔ケアアセスメントを行い、統一した口腔ケアを実施することがでる事が高く評価されています。
健康日本21とは? (2021年8月)
健康日本21は、新世紀の道標となる健康施策、すなわち、21世紀において日本に住む一人ひとりの健康を実現するための、新しい考え方による国の国民健康づくり運動です。これは、自らの健康観に基づく一人ひとりの取り組みを社会の様々な健康関連グループが支援し、健康を実現することを理念としてています。この理念に基づいて、疾病による死亡、罹患、生活習慣上の危険因子などの健康に関わる具体的な目標を設定し、十分な情報提供を行い、自己選択に基づいた生活習慣の改善および健康づくりに必要な環境整備を進めることにより、一人ひとりが稔り豊かで満足できる人生を全うできるようにし、併せて持続可能な社会の実現を図るものです。歯科もこの計画には健康寿命延長手段として注目されています。
コロナ: 歯科医療提供体制等に関して当面の議論の進め方が決まった?
(2021年7月)
高齢化による医療の需要拡大への対応、生産年齢人口が減少する中での地域医療の確保、健康寿命の延伸へ向けた予防・健康づくりの強化等の課題をふまえた地域包括ケアシステムの構築、地域共生社会の実現に向けた取組を進めることが重要とされていることから、歯科保健医療の提供の在り方について、今後改めて検討を行うことが厚生労働省で決まりました。歯科の重要性が高齢者社会では重視されているようです。
歯科医師によるワクチン接種は「歯科医行為」ではなく完全に「医行為」ですが歯科医師がワクチン接種行える理論は?(2021年6月)
ワクチン接種のための筋肉内注射の医行為・歯科医行為該当性について ワクチン接種のための筋肉内注射については、「歯科医行為」ではなく「医行為」に該当するもので医師等の資格を有さない歯科医師が反復継続する意思をもって行え ば、基本的には、医師法(昭和 23 年法律第 201 号)第 17 条に違反します。しかし全国民に短時間にコロナワクチン接種するため、下記の議論が厚生労働省で行われ歯科医師のコロナワクチン接種が会のルールのもと可能になりました。今後は法の整備が必要になるでしょう。
「 歯科医師によるワクチン接種のための筋肉内注射の実施に係る法的整理について違法性阻却の可否は個別具体的に判断されるものであるが、歯科医師は、その養成課程において、筋肉内注射に関する基本的な教育を受けており、また、口腔外科や歯科麻酔の領域では実際に筋肉内注射を行うことがあることを踏まえると、必要な医師や看護師等が確保できないことを理由に特設会場におけるワクチン接種が実施できないような場合においては、少なくとも下記の条件の下でワクチン接種のための筋肉内注射を歯科医師が行うことは、公衆衛生上の観点からやむを得ないものとして、医師法第 17 条との関係では違法性が阻却され得るものと考えられる。
(1)新型コロナウイルス感染症の感染拡大を防止し、住民の生命や健康を守るために迅速にワクチン接種を進める必要がある中で、必要な医師や看護師等の確保ができない ために、歯科医師の協力なしには特設会場でのワクチン接種が実施できない状況であること。
(2)協力に応じる歯科医師が筋肉内注射の経験を有している又はワクチン接種のための筋肉内注射について必要な研修を受けていること。
(3)歯科医師によるワクチン接種のための筋肉内注射の実施について被接種者の同意を得ること。」
なかなか収まらないコロナに対するワクチンでメッセンジャーRNA(mRNA)ワクチンは既存のワクチンと何が異なるか?( (2021年5月)
これまで日本で使用されていたワクチン(不活化ワクチン、組換えタンパクワクチン、ペプチドワクチン)はウイルスの一部のタンパク質を人体に投与し、それに対して免疫が出来る仕組みでした。一方、mRNAワクチンは従来の日本のワクチンと異なりウイルスのタンパク質をつくるもとになる情報の一部を注射するワクチンで、それに対する抗体などができることで、ウイルスに対する免疫ができます。mRNAワクチンでは、ウイルスのタンパク質をつくるもとになる情報の一部を注射します。人の身体の中で、この情報をもとに、ウイルスのタンパク質の一部がつくられ、それに対する抗体などができることで、ウイルスに対する免疫ができるのです。(厚生労働省のホームページより)
矯正歯科治療について (2021年4月)
皆様ご存知の通り矯正歯科治療は、悪い歯ならびや噛み合わせを、きちんと噛み合うようにして、きれいな歯ならびにする歯科治療です。歯を削って作り物の歯をかぶせてきれいな歯並びにすることはありません。基本矯正装置を通じて、歯やアゴの骨に力をかけてゆっくりと動かして、歯ならびと噛み合わせを治していきます。歯がふぞろいだったり、上下のアゴの歯ならびがお互いにちゃんと噛み合わない状態を、矯正を行う歯科医師はには「不正咬合」として対応します。この不正咬合をそのままにしておくと食べ物がよく噛めない 歯槽膿漏になりやすい 口臭の原因になる アゴの関節に負担をかける アゴの関節に負担をかける等な生じることがありますので若いうちに矯正を行うことをお勧めします。
高齢者の顎関節脱臼(2021年3月)
下アゴが外れることを顎関節脱臼といいますが、一般の歯科医院には数年もしくは数十年に一、二度主に中年以下の方が受診される場合もありますが、実は近年、在宅や施設での高齢者の患者さんのアゴが外れることが増えているのです。しかし高齢者の患者さんは、外れたアゴを入れるのが難しく特に夜中など外れた場合は入れてもらえる救急病院を探すのに苦労するようです。
ではなぜ高齢者の顎関節脱臼は入れづらいのかというと、高齢者の患者さんは若い人と異なり歯周病が進んでいたりまた歯がなく入れ歯など入れている方が多くあごの骨がやせ細っていた上に骨粗しょう症などの疾患も持っていたりします。従って従来の大学歯学部で習う力で入れる方法だと骨折の場合があるから躊躇してしまうのです。そのような方は特別な方法で外れたあごを入れる必要があるのですが、まだ十分周知されていないようです。
認知症の中核症状と抑えておきたいBPSDとは?(2021年2月)
「中核症状」は脳の神経細胞が壊れることによって、直接起こる症状です。 具体的には、直前に起きたことも忘れる記憶障害、筋道を立てた思考ができなくなる判断力の障害、予想外のことに対処できなくなる問題解決能力の障害、計画的にものごとを実行できなくなる実行機能障害、いつ・どこがわからなくなる見当識障害、ボタンをはめられないなどの失行、道具の使い道がわからなくなる失認、ものの名前がわからなくなる失語などがあります。認知症になれば誰にでも、中核症状が現れます。 一方、周囲の人との関わりのなかで起きてくる症状を「BPSD」といいます。BPSDは「認知症の行動と心理症状」を表わす英語の「Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia」の頭文字を取ったもの。暴言や暴力、興奮、抑うつ、不眠、昼夜逆転、幻覚、妄想、せん妄、徘徊、もの取られ妄想、弄便、失禁などはいずれもBPSDで、その人の置かれている環境や、人間関係、性格などが絡み合って起きてくるため、人それぞれ表れ方が違います。介護者が対応に苦慮する多くは、中核症状よりもBPSDです。
多数歯う蝕のある子どもたちに対する支援のための研修会(2021年1月)
1歳6ヶ月児も3歳児も、う蝕のない子どもの割合は増え続けています。私も保育園に置いてう蝕の数の少なさは実感しております。しかし平成26年度に東京都福祉局が行った調査ではう蝕のある3歳児のうち、10本以上のう蝕がある子供の割合は4、2%、5本以上10本未満は1、47%となっています。多数のう蝕がある場合は育児環境に問題があることも考えられ、児童虐待やネグレストなどの視点を持ちながら対応することが必要です。このテーマは一昨年院長の高山が小児口腔外科学会で発表した内容と合致しています。東京都歯科医師会は昭和大学の小児育成歯科学講座の教授や保健所の職員をお呼びして2月に研修会を開催します。大変興味深い内容だと思います。
マスクを知る(2020年12月)
日本歯科医師会が11月に「新型コロナウイルスなど感染症対策における歯科の重要性」に関する国民向けの情報の第4弾として、日本歯科大学附属病院口腔外科教授の小林隆太郎氏が執筆・監修した「マスクを知る」を日本歯科医師会のホームページに掲載しました。
内容は、新型コロナウイルスが蔓延する中、咳、くしゃみなど感染者の口腔から放出される飛沫には、大量のウイルスを含むため、周囲にいる人にとってマスクは感染予防として重要なアイテムであるとして、マスクの種類や性能についても紹介しています。マスクの種類や機能、用途、装着の基本など簡単にまとめて記載されています。興味のある方がご覧ください。
新型コロナウイルス感染症の流行を踏まえた市民による救急蘇生法の基本的な考え方とは?(2020年11月)
コロナが未だ収まらないところで国が示した市民による救急蘇生法の基本的な考え方を示しました。
第一に 胸骨圧迫のみの場合を含め心肺蘇生はエアロゾル(ウイルスなどを含む微粒子が浮遊した空気)を発生させる可能性があるため、新型コロナウイルス感染症が流行している状況においては、すべての心停止傷病者に感染の疑いがあるものとして対応する。
第二に成人の心停止に対しては、人工呼吸を行わずに胸骨圧迫とAED による電気ショックを実施する。
第三に子どもの心停止に対しては、講習を受けて人工呼吸の技術を身につけていて、人工呼吸を行う意思がある場合には、人工呼吸も実施する。
ということです。但し子どもの心停止は、窒息や溺水など呼吸障害を原因とすることが多く、人工呼吸の必要性が比較的高いとの事です。
コロナの影響で救急蘇生法も変わって来ています。
歯科医院の口腔外バキュームとは?(2020年10月)
口腔外バキュームとは歯科治療中に飛び散る唾液や血液、義歯・入れ歯・歯科素材を調整する時に発生する削りカス、金属の破片などを患者さんのすぐ近くで外側で使用する、大きな吸引装置のことです。歯を削るなどするときには、歯の削りかす、金属片、血液、細菌など目に見えない細かい粉塵が大量の水の中に飛び散りますが、口腔外バキュームは、これらの粉塵を患者さん、医療機関の職員が吸い込んでしまうのを防ぐ厚生労働省推奨の優れた装置です。コロナ感染対策には大変有効な機械です。もちろん本院では口腔外バキュームは以前より供えておりこのコロナ下では威力を発揮しております。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するPCR検査、抗原検査、抗体検査について(2020年9月)
「PCR検査」は鼻の奥から若しくは唾液からコロナウイルスが存在しているかウイルスのDNAだけを激増して感染の有無を診断するものです。また、「抗原検査」は、新型コロナウイルスに感染しているかを調べる簡易検査(インフルエンザの簡易検査も抗原検査です)。「抗原」とは、ウイルスや細菌のほかアレルギーを引き起こす花粉や卵などの、体に免疫反応を起こす物質そのものを指します。一方抗体検査の「抗体」は免疫グロブリンというたんぱく質のことで、体に入ってきた異物(ウイルスや花粉など)にぴったりと適合して、その異物を排除するように働きかける人間に備わった防御反応である免疫力です。 つまり、「抗原」は外部から体内に侵入してくるもの、「抗体」は異物が入ってきた時に体の中で作られる免疫反応です。 抗原検査では「過去に感染したかどうかはわからないけれど、現時点でコロナウイルスは体内にいない(感染していない)」という判断ができます。一方抗体検査は過去に感染した、若しくは感染していることを示していますが、直接原因菌を見ているわけではないので今現在感染しているかはPCR(DNA検査)検査の確定診断が必要になりますが現在これも100%確定と言う訳では無いので注意が必要です。
Qブラッシングは食後すぐにしなければいけないのでしょうか。忙しいので毎食後すぐにブラッシングできないのですが、、、、、 (2020年8月)
A確かに食事の後は、口腔内細菌の活動性が高まるので歯磨きするのが理想的です。しかし、不充分な歯磨きを一日三回毎食後にするよりは、夜お休み前の一回だけでもしっかり時間をかけて丁寧に行き届いた歯磨きをした方が効果的です。高齢者施設の入居者に対しても同じことが言えます。
(日本歯周病学会ホームページより引用改編)
歯の残存数が、脳卒中発症に関係する? (2020年7月)
脳卒中患者の口腔内状態について調査した研究では、50歳代の脳卒中患者の残存歯数(18.4±9.4本)が、日本人の平均残存歯数(24.1±6.1本)に比べて、有意に少なくなっていることを報告しています。歯の数と脳卒中になる率は関係がある様です。
Yoshida M, Murakami T, Yoshimura O, Akagawa Y, The evaluation of oral health in stroke patients. Gerodontology 29(2):e489-493, 2012.
インフルエンザ菌はインフルエンザ原因菌ではない? (2020年6月)
インフルエンザ菌と言う菌がありますがなんとこの菌はインフルエンザの病原菌ではないのです。インフルエンザ菌とはパスツレラ科ヘモフィルス属のグラム陰性短桿菌で、主に呼吸器や中耳に感染する細菌の1種なのです。実は歴史的な理由によりインフルエンザという名称が付けられているのです。
1890年代のインフルエンザの大流行の際に、原因菌として分離されたのがこのインフルエンザの病原菌ではないイフルエンザ菌であり間違えてこの名称が付けられてしまったのです(インフルエンザの真の病原体は、RNAウイルスのインフルエンザウイルスです)。しかしインフルエンザに引き続いて二次的感染を起こすことがあるので間違えたのでしょう。もちろんこの菌は抗生物質で阻害することが出来きます。間違えて名付けられたインフルエンザ菌はインフルエンザ原因菌ではないのです。
コロナ対策にも標準予防策に基づいた感染対策の重要性 (2020年4月)
歯科医院では歯科治療で患者本人も自分が感染していることに気づいていないかもしれません。患者の感染症を正確に把握することは困難なのです。しかし、ヒトの血液や体液を介して感染する微生物等は存在します。そこで歯科医院では処置にあたる医療機関の職員の自分自身を守り、そして患者から別の患者への感染を予防するためには、標準予防策を遵守することが重要になります。
標準予防策とは、「あらゆる人の血液、すべての体液、汗以外の分泌物、排泄物、損傷のある皮膚、および粘膜には感染性があると考えて取り扱う」という考え方を基盤に、すべての人に実施する感染予防策です。本院では口腔外バキュームで飛沫感染を防ぎエタノールで診療台を毎回消毒し器具は高圧滅菌機もしくは内視鏡の消毒にも使われるディスオーパなど使い標準予防策を施しています。
かかりつけ歯科医とは (2020年3月)
安全・安心な歯科医療の提供のみならず医療・介護に係る幅広い知識と見識を備え、地域住民の生涯に亘る口腔機能の維持・向上をめざし、地域医療の一翼を担う者としてその責任を果たすことができる歯科医師をかかりつけ歯科医と日本歯科医師会では定義しています。
患者の乳幼児期から高齢期までのライフステージに応じた継続管理や重症化予防のための適切な歯科医療の提供および保健指導を行い、口腔や全身の健康の維持増進に寄与することです。地域の中では、住民のために行政や関係する各団体と共に歯科健診などの保健活動等を通じ口腔保健向上の役割を担い、地域の関係機関や他職種と連携し、通院が困難な患者にさまざまな療養の場で切れ目のない在宅歯科医療や介護サービスを提供するとともに、地域包括ケアに参画することなどがかかりつけ歯科医の役割です。
(日本歯科医師会より改編)
嚥下障害の急性期と慢性期の対応の違い (2020年2月)
摂食・嚥下障害におけるリハビリで効果があるのは脳卒中回復期で、急性期では病気や障害を治すことが出来るが退院して施設や在宅に戻ると脳卒中維持期、認知症の患者さんに本当に必要なものは摂食・嚥下障害における食事支援などである。 病院には、摂食・嚥下障害の患者さんの一部しかいない。脳卒中(急性期、回復期)などによる対応は充実傾向。脳卒中回復期を対象とした訓練・リハビリが有効。それに対し摂食・嚥下障害の患者さんのほとんどがいる。対応はまだ不足。症状は固定されており訓練・リハビリは無効なことが多い。 施設、在宅の脳卒中、認知症に伴う摂食・嚥下障害の患者さんは想像以上に多く(約570万人)患者さんに必要なのは訓練よりも支援である。
コロナウィルスとインフルエンザ (2020年1月)
令和2年2月1日時点では、日本国内ではほとんど報道されていませんが、実はコロナウィルスよりアメリカのインフルエンザによる死亡者の方が圧倒的に多いためアメリカはコロナウィルスに対しては物凄く敏感に反応していると思われます。(なんと今期すでにアメリカでは1500万人が感染して8千人以上亡くなっているとの事)逆に日本ではコロナウイルスの影響からこの時期爆発的に増加するインフルエンザが例年と異なり3分の1ぐらいに減っているようです(日本では毎年1万人以上がインフルエンザで亡くなっています)。このことを考えると日本ではコロナウイルスの報道が多く、そのためいつもよりマスク手洗い、うがいが徹底されている結果と思われます。予防の重要性が改めて示されたと思われます。
薬剤耐性(AMR)対策アクションプランとは? (2019年12月)
薬剤耐性問題は国際的にも大きな課題となっています。日本はWHOの「薬剤耐性に関する国際行動計画」を踏まえ、取り組むべき対策をまとめたもので、計画期間 として2016~2020年までに下記の6つの目標を掲げています。「①普及啓発・教育 薬剤耐性に関する知識や理解を深め、専門職等への教育・研修を推進 ②動向調査・監視 薬剤耐性及び抗微生物剤の使用量を継続的に監視し、薬剤耐性の変化や拡大の予兆を適確に把握 ③感染予防・管理 適切な感染予防・管理の実践により、薬剤耐性微生物の拡大を阻止 ④抗微生物剤の適正使用 医療、畜水産等の分野における抗微生物剤の適正な使用を推進 ⑤研究開発・創薬 薬剤耐性の研究や、薬剤耐性微生物に対する予防・診断・治療手段を確保するための研究開発を推進 ⑥国際協力 国際的視野で多分野と協働し、薬剤耐性対策を推進」高山歯科医院では、院長の高山が薬理学講座の非常勤講師を務めていたこともあり以前より無駄に強い抗生物質は避けて処方しています。
入れ歯の手入れを毎日しないと肺炎のリスクが1.3倍高くなる? (2019年11月)
東北大学大学院歯学研究科国際歯科保健学分野の相田潤氏らの研究で、65歳以上で入れ歯を毎日は清掃しない人は、過去1年間の肺炎発症のリスクが1.30倍、75歳以上の人に限ると1.58倍高いということが示されました。また、入れ歯の清掃を毎日行うことによって、地域在住の高齢者においても肺炎の発症を予防できる可能性が示唆されました。
この研究は、国際科学雑誌『Scientific Reports』電子版(9月24日)に掲載さました。
低栄養とは?(2019年10月)
低栄養とは、疾病、歯牙の欠損や異常、食欲不振、消化吸収能や肝機能の低下などが原因となり、QOLの低下、誤嚥性肺炎のになりやすくなるだけでなく、抗生物質など薬効低下も生じます。また、低栄養の主な指標①体格(BMIが18.5未満は「やせ」と判断させる)②体重の変化(1ヶ月に1kg以上減り続ける時は精査が必要)③血清アルブミンが3.5g/dl以下は低栄養。3.9g/dl未満でも要注意が必要です。
低栄養を防ぎ栄養のバランスをとるためには、 肉、魚、卵、牛乳、大豆製品、緑黄色野菜、いも類、海藻類、果物類、油脂類の十の食品群は毎日何らかの形で食べる事を目標とすることが推奨されています。
ラオスの災害時歯科による個人識別 (2019年9月)
診療所のの衛生士2名と9月11日から14日の間ラオスに教育ボランティアに行って来ました。今回はラオスでの歯科による個人識別の効果発揮の困難さを認識してた活動でした。まず、法歯学はラオスでは無い事、また歯科医師は地方ではほとんど居ない現状で個人識別で重要な国民の生前のデンタルチャートが作成不可能なこと、さらにラオス唯一の歯学部ヘルスサイエンス大学でさえ治療内容しか記載が無くデンタルチャートは作成されていない事は今後必ず改善するべき課題だと思います。しかしラオスでは歯科衛生士さえ一人も居らず、そのため私が関わるNPOでは今後各県の地区にいる看護士にデンタルチャート作成技術移転を行うことも検討しています。いまだに昨年のラオスダム決壊では身元不明者被害者が数百人いるとの事でした。
認知症の予防は? (2019年9月)
アルツハイマー型認知症の原因になるタンパクは、発症の25年も前から溜まりだすというデータがあります。このタンパクとインスリンに関係がある事がわかっていますので、糖尿病に罹患しないように注意するといわれています。また、食生活は重要で、コレステロール値を上げない、高血圧にならない(分を控える)飲酒は適度にする(アルコール性の認知症対策)といわれ、日常生活では、適度な運動・喫煙を控える・ストレスをためない生活、睡眠時間をよくとると良いといわれています。ならないに越したことはないが生活習慣病になってしまったら早めの適切な治療が重要であることはもちろんと思います。
介護保険事業計画とは? (2019年8月)
介護保険事業計画とは、地方自治体が策定する介護保険の保険給付を円滑に実施するための計画のことです。また、市町村が策定する「市町村介護保険事業計画」と都道府県が策定する「都道府県介護保険事業支援計画」があります。
介護保険法では、3年ごとに、3年を1期とする計画の策定が義務付けられており、計画に基づき、介護保険料が設定し、介護保険制度の円滑な運営を図り、基盤整備のための基本となる計画です。国は現在、第8期介護保険事業計画作成に取り掛かっています。
21世紀における国民健康づくり運動(健康日本21)とは?(2019年7月)
国は個人による健康の実現には、個人の力と併せて、社会全体としても、個人の主体的な健康づくりを支援していくことが不可欠であると考えています。そこで、「健康日本21」では、健康寿命の延伸等を実現するために、健康に関連する全ての関係機関・団体等を始めとして、国民が一体となった健康づくり運動を総合的かつ効果的に推進し、国民各層の自由な意思決定に基づく健康づくりに関する意識の向上及び取組を促そうとする運動です。現在は、平成25年度から令和4年度までの「二十一世紀における第二次国民健康づくり運動(健康日本 21(第二次))」を掲げて国は少子高齢社会の社会保障制度が持続可能になるように国は取り組んでいます。
もちろん歯科医療にも今後さらに影響を及ぼしてくると考えられます。
介護福祉士とは?(2019年6月)
介護福祉士とは、社会福祉士及び介護福祉士法にもとづく国家資格です。介護福祉士は、介護福祉士の名称を用いて、専門的知識及び技術をもつて、身体上又は精神上の障害があることにより日常生活を営むのに支障がある者につき心身の状況に応じた介護を行い、並びにその者及びその介護者に対して介護に関する指導を行うことを業とする者と言う位置づけなのです。また、介護福祉士とは、介護を必要とする方がたのさまざまな生活行為・生活動作を支援し、支える知識と技術を有する介護の専門資格なのです。
社会福祉士とは?(2019年5月)
社会福祉士とは「社会福祉士及び介護福祉士法」で位置づけられた、社会福祉業務に携わる人の国家資格ことです。社会福祉士とは「専門的知識及び技術をもって、身体上もしくは精神上の障害があること、または環境上の理由により日常生活を営むのに支障がある者の福祉に関する相談に応じ、助言、指導、福祉サービスを提供する者又は医師その他の保健医療サービスを提供する者その他の関係者との連携及び調整その他の援助を行うことを業とする者」とされています。社会福祉士国家試験受験資格を得るには大学等の指定養成機関で指定の科目の履修及び行政や医療機関、福祉施設等での実習を行う必要がります。社会福祉士資格をもっていることは、専門職としての水準の高さを表すものなのです。
歯周病治療で大学病院と同じように治療すると説明を受け、検査の時にエックス線写真を10枚以上撮影したのですがそんなに枚数が必要なのでしょうか? (2019年4月)
エックス線写真検査は口内法と呼ばれる方法とパノラマエックス線写真と呼ばれる方法とがあります。前者は、1本1本の歯や歯周組織(骨)の状態を詳細に知ることができる方法で、上下左右と前歯と奥歯をそれぞれ撮影しますので、10~14枚撮影します。後者は顎関節を含めた上下の顎の骨の状態まで把握できます。被爆量についてはどちらの方法も問題はありません。本格的に歯周病を治療する時には治療の経過を見て検査、レントゲンを取り記録する事が治癒過程で重要なのです。(日本有病者歯科医療学会ホームページ「様々な疾患に対する患者からの質問と回答」より改編)
AEDとは(2019年3月)
AEDとは、自動体外式除細動器の事ですが、心臓がけいれんし血液を流すポンプ機能を失った状態(心室細動)になった心臓に対して、電気ショックを与え、正常なリズムに戻すための医療機器の事です。
2004年7月より医療従事者ではない人でも使用できるようになり、病院や診療所、救急車はもちろんのこと、ご存知のとおり空港、駅、スポーツクラブ、学校、公共施設、企業等人が多く集まるところを中心に設置されています。
AEDは、操作方法を音声でガイドしてくれるため、不慣れな人も簡単に使用することができますが、都内各消防署では、心肺蘇生やAEDの使い方、けがの手当など、応急手当を習得して頂けるよう、救命講習を開催していますので受講をおすすめします。高山歯科医院でも2年に一度全職員で参加しております。
口内フローラとは?(2019年2月)
2年ちょと前のNHK「ためしてガッテン」に「ウイルス&細菌を撃退!「口内フローラ」新健康術SP」というのが放送されていました。「口内フローラ」とは口の中の細菌の種類の分布みたいなもので、善玉菌9割、悪玉菌1割ていどが理想的なバランスと言われています。歯周病菌のような悪玉菌が増えると血管に入り込んで全身で恐ろしい病気を引き起こす可能性があるといわれています。対策は正しい歯磨きです。放送の中ではウイルス&細菌を撃退するには正しい歯磨きと緑茶のカテキンとのこと。寝る前は歯磨きと緑茶がお勧めですね。
パーキンソン病とは?(2019年1月)
パーキンソン病は、脳内神経伝達物質のドーパミンが脳の病変によって不足するのが原因とされています。また、パーキンソン病は、高率に認知症を合併するといわれパーキンソン病の約40%に認知症が合併していたという報告もあります。さらに、全認知症症例の3.6%がパーキンソン病であったという報告も有り、パーキンソン病患者が、認知症を発症するリスクは、健常者の約5-6倍と見積もられており、パーキンソン病患者を8年間追跡調査した研究では、78%が認知症を発症したと言う報告もあるのです。そしてパーキンソン病は手足が震えたり全身の動作が鈍くなるといった症状で始まり、ゆっくりと進行する病気です。
医療安全を確保する医療事故調査制度とは?(2018年12月)
医療事故調査制度は、平成26年6月18日に成立した、医療法の改正に盛り込まれた制度です。制度施行は平成27年10月1日です。医療事故が発生した医療機関において院内調査を行い、その調査報告を民間の第三者機関(医療事故調査・支援センター)が収集・分析することで再発防止につなげるための医療事故に係る調査の仕組み等を、医療法に位置づけ、医療の安全を確保するものです。
簡単な嚥下評価質問表「EAT-10」(2018年11月)
嚥下機能状態を見極める方法はいくつかありますが、国でもお勧めしているのが「EAT-10」という質問表。簡単に嚥下機能状態がわかる便利なツールとして世界各国で普及が進んでいます。
「EAT-10」の評価方法は、飲み込みに関する10 個の質問に答えるだけ、短時間で実施でき、様々な状態の方、若年者、高齢者の区別なく利用できます。また、各質問の評価点数を合計するだけで、嚥下障害の可能性の有無を調べる事が出来ます。
また、現在の嚥下状態あるいは状態の変化に、いち早く気づくこともできます。嚥下障害の方だけでなく、嚥下が気になる方にも有用な質問表でお勧めです。
オーラルフレイルついて(2018年10月)
「オーラルフレイル」とは、口腔機能の軽微な低下や食の偏りなどを含み、身体の衰え(フレイル)の一つで、「プレフレイル」と位置づけられています。
口腔の機能低下以外に心理的な要素や社会的な要素が絡んだ「口腔機能低下症※」のことを「オーラルフレイル」と言います。
この「オーラルフレイル」は、健康と機能障害との中間にあり、可逆的であることが大きな特徴の一つです。つまり、早めに気づき適切な対応をすることで、より健康に近づきます。
※口腔機能低下症:いわゆる虫歯や歯の喪失など、従来の一目見てわかる歯科疾患とは異なり、いくつかの生理的口腔機能の低下による複合要因によって現れる病態のこと。」
「サルコペニア」とは?(2018年9月)
「サルコペニア」とは加齢に伴って筋肉が減少する病態で、握力や歩行速度の低下など、機能的な側面も含まれています。サルコペニアが進行すると転倒、活動度低下が生じやすくなり、要介護状態につながる可能性が高くなります。また外見では痩せていない様に見えても筋肉が減少している「サルコペニア肥満」という物もあり高齢の方は特に日ごろの運動と良質なたんぱく質の補給が重要になるのです。
ロコモ、サルコペニア、フレイルとは?(2018年8月)
3つの言葉は最近良く聞きますがなかなか区別がつきづらいと思います。それぞれの言葉を要約すると、ロコモはロコモティブシンドロームのことで骨や関節、筋肉といった運動器の衰えのことです。またサルコペニアは筋肉の衰えのことで、フレイルは運動能力だけでなく心も含めた心身の衰えということのようです。その中でプレフレイルとしてオーラルフレイルという言葉が歯科医師会でも最近話題になっています。詳細は次の機会で。
「食育」と小児歯科(2018年7月)
「食育」の目的である「生涯を通じておいしく食べる」ことは、歯科の目的とも一致しています。また、食育の推進= 歯科保健・医療の推進という側面があります。
しかしながら、「食育」と「歯科」との関わりについては、一般的にはそのイメージが直ぐに浮かばないかもしれません。健全な「食育」を推進していく上で具体的に考えていかなけれならず、歯と口腔は欠くことができない重要な役割を担っており、その健康と機能獲得の基礎は、小児期に形作られているのです。小児歯科はそのような大事な時期に関与しています。
ポリファーマシーとは?(2018年6月)
高齢者の薬物副作用(有害事象)増加の原因として多剤服用の中でも害をなすものを特にポリファーマシーと呼びます。ポリファーマシーは、単に服用する薬の数が多いことではなく、副作用のリスク増加、服薬量や期間の間違え等の問題につながる状態のことを指します。また何剤からポリファーマシーとするかについて厳密な定義は今のところありません。しかし薬による副作用は薬の数にほぼ比例して増加し、6種類以上が特に薬物有害事象の発生増加に関連したというデータがあることは知られています。このためポリファーマシー対策で「高齢者の医薬品適正使用の指針」が平成30年5月29日厚生労働省から出たのです。今後の高齢者社会での服薬で重要な指針となるでしょう。
歯の詰め物やかぶせ物には、どんな金属が使われているんですか?(2018年5月)
ほとんどの歯科材料は数種類の金属合金を使用しています。これにはメリットデメリットがあります。メリットは耐久性や歯の硬さに近いもので丈夫でしかも加工しやすくするために多種類の金属を組み合わせて作られるという事です。デメリットは人によりアレルギーを起こしやすい金属もあるということですが、どの金属がどういう人に影響を及ぼすかはまだはっきり判っていません。
(医学情報社:金属アレルギーとメタルフリー治療Q&Aより改編)
東京都豊島区要町3-26-3メゾンMT
金属アレルギーの検査法にどのようなものがあるか?(2018年4月)
金属アレルギーの検査法には再現性が高く、簡便な方法として、パッチテストというものが主流とされています。なお、パッチテストとは試薬の付いたテープを背中に2日間貼り、2日後それをはがし、除去後、皮膚に現れた反応を2日目、3日目、7日目の3回を国際基準(ICDRG)に基づいて判定する方法です。
Q:歯の詰め物やかぶせ物は金属アレルギーの原因になる?(2018年3月)
A:金属アレルギーの原因になることがあります。 歯の詰め物、かぶせ物(銀歯など金属冠、特に保険の銀歯には多く種類の金属が含まれています)や入れ歯に使われている金属は長い年月をかけて口の中で少しずつ溶け出し体内に取り込まれ、人によってはアレルギーを引き起こすことがあるのです。(医学情報社:金属アレルギーとメタルフリー治療Q&Aより改編)
JRC蘇生ガイドラインとは(2018年2月)
国際蘇生連絡協議会が作成した心臓救急に関する内容をベースに、日本蘇生協議会(JRC)が作成したガイドラインがJRC蘇生ガイドラインです。各国の心肺蘇生協議会がそれぞれにガイドラインを作成しており、アメリカ心臓協会が作成したガイドラインはAHAガイドライン、ヨーロッパ蘇生協議会のガイドラインはERCガイドラインと呼ばれています。ガイドラインは、5年毎に更新されており、この度JRC蘇生ガイドライン2015が公表されました。AEDの電源を入れると流れる音声ガイダンスは、このガイドラインを基に各メーカーが作成しています。
低栄養指標の低アルブミン血症とは?(2018年1月)
血清中のアルブミンの濃度が異常に低い状態のことであり低栄養状態の指標になります。アルブミンとは、グロブリンと共に血清中に含まれる主要タンパク質の一つであり、血液の浸透圧の調整や、カルシウムイオン、脂肪酸、ホルモンなどと結合・運搬する働きを持つ。またアルブミンはヒト体内における主要な蛋白のひとつなのです。
また、血清においては蛋白のおよそ60%を占め、多くのホルモン、薬剤や分子化合物は血中でアルブミンと結合してQOLには欠かすことが出来ないのです。したがって低アルブミン血症になると抗体の産生低下、抗菌薬の効果の低下に陥り結果的に感染症が治り憎くなるのです。アルブミンは食事による改善が見込めることが多いので体力が極端に落ちた高齢者の食事においては通常注意すべき値になります。
歯科医師会とは?(2017年12月)
歯科医師会は正式には「公益社団法人日本歯科医師会」と言います。また「各都道府県歯科医師会」を法人会員として、「都道府県歯科医師会会員となっている歯科医師を個人会員」として組織され国民へ歯科に関する予防・啓発事業などを実施している公益法人です。
歯科医師会の始まりは明治36年に、歯科医師の身分や業務を確立する歯科医師法の制定を目指し114名の歯科医師による「大日本歯科医会」として発足したのが始まりで、法律による強制設立・強制加入の団体でしたが、戦後の昭和22年に、任意設立・任意加入の民法第34条に基づく社団法人となりその後、平成25年に公益社団法人に移行し、現在に至っています。
私は僧帽弁閉鎖不全で本来は弁置換術が良いと言われていますが、先日歯科医院で簡単な抜歯することになり大学病院を紹介されました。そんなに大変なのでしょうか?
(2017年11月)
口腔常在菌が歯科治療などで血管内に入り、心臓の弱った弁の周囲などに付着すると死に至ることもあり危険です。抜歯前に抗生を点滴や投与してから抜歯し、抜歯中も心臓に負担とならないよう注意してモニター監視で行うのっで安全です。また万が一の時も大学病院には医科があるので安心です。
(日本有病者歯科医療学会ホームページ「様々な疾患に対する患者からの質問と回答」より改編)
最近、坂道や階段を上るときに動悸や息切れがおこるようになり心不全の薬を飲んでいます。歯科治療を受けたいのですが大丈夫でしょうか?(2017年10月)
担当歯科医師に心不全の治療を受けていることを必ず伝えてください。心不全の状態や歯科治療の内容によっては、かかりつけ歯科医院ではなく、近隣の総合病院の歯科口腔外科を紹介してもらって下さい。
(日本有病者歯科医療学会ホームページ「様々な疾患に対する患者からの質問と回答」より改編)
慢性腎不全で週に3回近医で人工透析を行っていますが、歯が悪く抜歯しても大丈夫?(2017年9月)
人工透析は、ヘパリンという血液がサラサラになる薬を使用します。そのため抜歯中や抜歯後に血が止まらなくなることがあります。その予防として透析翌日に抜歯を行うことが推奨されています。術後は感染のリスクがあるので抗生物質が必要です。現在の腎機能やお薬の種類によって使用する量が異なるため、担当歯科医と相談して下さい。(日本有病者歯科医療学会ホームページ「様々な疾患に対する患者からの質問と回答」より改編)
以前、狭心症と診断されましたが、歯を抜かなければいけないようで...(2017年8月)
狭心症には、運動やストレスなどによる心臓の酸素消費の増加に対して心臓への酸素供給が不足して生じるものや心臓に血液を供給する冠状動脈がけいれんして生じるものなどがあります。治療を受ける前に狭心症のあることを必ず歯科医師に伝えてください。またニトログリセリン舌下錠とお薬手帳があれば持参してください。(日本有病者歯科医療学会ホームページ「様々な疾患に対する患者からの質問と回答」より改編)
奥歯の抜歯を予定していますが、高血圧のため服薬し抜歯中に血圧が上がらないか不安 (2017年7月)
高血圧の方の抜歯は、お薬を服薬していて血圧が安定している場合は可能です。ただし、不安定な高血圧、降圧薬を複数(合剤もある)服薬されている場合、脳卒中、心筋梗塞、糖尿病や腎臓病などの他の病気を持つ場合は、血圧上昇とともに併発している病気が悪化する恐れがあります。歯科医師にすべての情報を伝えてください。(日本有病者歯科医療学会ホームページ「様々な疾患に対する患者からの質問と回答」より改編)
舌接触補助床とは?(2017年6月)
舌癌で舌の一部の切除した場合や高齢者で舌の機能低下した患者さんは飲み込むという作業が困難になることが多いのです。実は人は飲み込むときには舌が上の口蓋に舌を密着密閉さているのです。ところが舌を一部切除したりすると空間ができてしまい飲む込むことが困難となります。その対策として口蓋部の床を肥厚させた上顎に適用される床タイプの補助装置、を使い発音および咀嚼・嚥下機能に必要な舌の口蓋への接触を容易にして飲み込みができるようにする装置を舌接触補助床と言います。
開口しない利用者様にどうやって口腔ケアをしたら良いか?
お茶は殺菌作用があるというが飲むだけだ効果あるのか?
(2017年5月:特別養護老人ホームでの質問)
認知症等で指示が入らない方にどうしてもケアを行いたい場合、自発的に開いて頂くことは困難です。
オトガイを揺するように押しながら開けさせる方法もありますが、力任せに行うと危険ですので歯科医師、歯科衛生士に依頼したほうがよいかと思います。
御本人の性格による場合はよくコミュニケーションを取り、心を開いて頂いて自発的に開口して下さるのを待つしかないでしょう。
緑茶に含まれるカテキンには殺菌作用があり、インフルエンザ、マイコプラズマ、MRSAに対する抗菌作用もあるようです。
ただし、緑茶に含まれるタンニンは鉄と結合し貧血の要因になる、シュウ酸はカルシウムと結合し結石の要因となる等良い効能だけでなく、マイナスの効能もありますので注意が必要です。
副作用が心配な場合はうがいして頂くだけでもよいでしょう。
ちなみに、緑茶のうち、カテキンの含有量が多いのは煎茶で約15%、番茶が約13%、玉露は10%です。
歯ぐきの色が黒ずんでいるが、、、、(2017年4月)
「歯ぐきの色が黒ずんでいて気になり、放っておいても大丈夫か?」と心配している方が時々いらっしゃいます。 実は歯肉には、皮膚と同じでメラニン色素が沈着しています。個人差はありますが黒いから不健康ということはありません。この他に煙草などの嗜好品により後天的につく場合もありますが、煙草による害は全身的にはもちろん歯周病にも大きな危険原因です。また、昔の治療により金属のイオンが沈着している場合もあるので歯科医師に相談してみてください。(日本歯周病学会ホームページより編集)
高齢者のフレイル(虚弱)とは? (2017年3月)
「フレイル」とは加齢とともに、心身の活力(例えば筋力や認知機能等)が低下し、生活機能障害、要介護状態、そして死亡などの危険性が高くなった状態です。しかし早く介入をすれば元に戻る可能性有りとされています。多くの高齢者の方は、「フレイル」を経て要介護状態へ進むと考えられていますが、「フレイル」に早く気付き、治療や予防することが大切なのです。「フレイル」は健康な状態と日常生活でサポートが必要な介護状態の中間と考えればよいでしょう。
ちなみに同じでは?と勘違いするサルコペニアは、筋肉量減少を主体として筋力,身体機能の低下を主要因として扱うのに対して,フレイルには移動能力,筋力,バランス,運動処理能力,認知機能,栄養状態,持久力,日常生活の活動性,疲労感など広範な要素が含まれている点がサルコペニアと大きな違いです。
セルフメディケーション税制(医療費控除の特例) (2017年2月)
平成29年1月1日から平成33年12月31日までの間に自己又は自己と生計を一にする配偶者やその他の親族の特定一般用医薬品等購入費を支払った場合において、その年中に健康の保持増進及び疾病の予防への取組として一定の健康診査や予防接種などを行っているときには、選択により、その年中の特定一般用医薬品等購入費の合計額(保険金等により補填される部分の金額を除きます。)のうち、1万2千円を超える部分の金額(8万8千円を限度)を控除額とするセルフメディケーション税制(特定一般用医薬品等購入費を支払った場合の医療費控除の特例)が創設されています。
歯磨き粉の歯周病予防効果について (2017年1月)
テレビ等の広告で歯磨き粉に歯周病殺菌効果を謳っていることがありますが、実は歯周病の一番の予防法はプラークの除去そのものなのです。歯磨き粉は、あくまでもプラークをしっかりと歯ブラシなどで除去した後の補助的なものと考えるとよいでしょう。
歯磨き粉の主な効能は含有されており、研磨剤により沈着した色素を除去したり、香料により爽快感が得られるということです。歯磨き粉による歯周病殺菌効果はあまり期待しないほうが良いでしょう。
歯周病はアルツハイマー病を悪化させる (2016年12月)
名古屋市立大大学院、国立長寿医療研究センター、愛知学院大学による研究で「歯周病はアルツハイマー病を悪化させる」ことをマウスを使った実験で証明しました。
認知症のひとつのアルツハイマー病に人工的にかからせたマウスを作り2つのグループに分けて一方を歯周病菌に感染させたグループ。もう一方は感染させていないグループにわけ、それぞれの図形の反応の違いを見たところ歯周病に感染させたグループの認知機能の低下が見られた。とのことです。今後2025年に高齢者のピークを迎えるに当たり歯周病の治療が重要であることを示唆した実験と注目されているようです。引用:「日本人はこうして歯を失っていく」
歯周病を治す「歯磨き剤や洗口液」は存在しない? (2016年11月)
歯肉の状態が悪化を自覚してくると歯科医院に行かず済みたいと思う方が特に気になるのが、「歯磨き剤や洗口液」の広告で歯肉からの出血や歯肉の腫れ、口臭といった言葉であり、この「歯磨き剤や洗口液」があたかも歯周病に効果があるように考えてしまいます。 そして、こうした症状を「歯磨き剤や洗口液」でなんとか抑えよう、あるいは治そうと考える方が実際多くいるようです。
ところが、パッケージに「歯周病予防」と明記している歯磨き剤や洗口液の場合、予防効果はある程度期待できますが、注意してほしい点で「歯周病を治す」とはどこにも書いていないはずです。
歯周病を完全に防いだり治したりできる夢のような「歯磨き剤や洗口液」実は存在しないのです。やはり歯周病が気になる方は歯科医院で診察、治療をしてもらうのが一番ですね。 引用:「日本人はこうして歯を失っていく」
歯周病対策はお早めに (2016年10月)
厚生労働省が2011年に行った「歯科疾患実態調査」によると15~19歳で4.5%、20代は14%、30代になると5人に1人が歯周病になっています。また歯周病の中でも特に重症化しやすいタイプの「若年性歯周炎」という病名の歯周病は10代20代でも発症します。歯周病はかつて歯槽膿漏と呼ばれていた頃のイメージで、「高齢者の病気」と捉えられる人もいるようですが、若者が歯周病にならないとは限らないのです。ですから若いうちから虫歯予防だけでなく歯周病予防も始めましょう。
引用:「日本人はこうして歯を失っていく」
BMIご存知ですか?(2016年9月)
高齢者の食支援で重要なのは体格指数です。BMI(ボディー・マス・インデックス)として表記されます。BMIは体重と身長の関係から人の肥満度を示す体格指数のことです。1835年にベルギーのアドルフ・ケトレーが提案しました。 肥満、低栄養の正確な測定が困難であるため、簡便的にBMIがよく使用されます。またBMIと体脂肪率の間には、たいていの場合、相関が認められます。
統計的にもっとも病気にかかりにくいBMI指数22を標準体重として、25以上の場合を肥満、18.5未満を低体重としています。 高齢者の場合18.5以下の方が多く食支援では毎月の変動を見て体調管理栄養管理を行います。計算式は BMI= 体重kg ÷ (身長m)2で 適正体重は (身長m)2 ×22とされていますが、各人の状況に合わせてさらに検討しながら栄養管理を行って行く事が良いでしょう。
訪問歯科の食支援ご存知ですか?(2016年8月)
本人がリハビリ等の努力が必要なく、医療側がその人に最適な状態を提供して寄り添う事により体力の向上、誤嚥性肺炎の予防効果が見込めるのが食支援です。
また、知られていない薬の副作用による誤嚥性肺炎を検討することも可能です。
誤嚥性肺炎は窒息であり患者さんが一番辛いのです。
さらに誤嚥性肺炎は医療費が160万も掛かるとの報告もあります。今のうちに適切な食支援をすることで効率よく体力をつけられるかもしれません。 最初に述べたように食支援はリハビリと異なり本人に努力を求めない寄り添う医療行為であるため長続きします。高山歯科医院には昨年から全国の多くの歯科院が見学にいらしており歯科の食支援は今後注目される分野です。
症状の無い歯周病は治療必要か?(2016年7月)
「歯科検診で虫歯はないが歯周病の治療を薦められました。痛みもないし、食事するのに不都合もないので、歯医者さんに行く必要はないのでは?」と考える方が時々いらっしゃいます。
ご存知の方も多いと思いますが、歯周病は痛みなどの自覚症状をほとんど伴いません。ところが放置すれば悪化こそすれ決して自然には治りません。気が付いた時には手遅れで何本も歯を抜かなければならないようなことになりかねません。たとえ虫歯がなくても、痛みがなく食事するのに不都合がなくても、もし歯周病だといわれたことがあるのでしたら可能な限り早めに治療されることをお奨めします。(日本歯周病学会ホームページより編集)
顎骨壊死とは?(2016年6月)
顎骨壊死とは、大変稀な症状ですが、悪条件が重なりあごの骨の組織や細胞が局所的に死滅し、骨が腐った状態になることです。あごの骨が腐ると、口の中にもともと生息する細菌による感染が起こり、あごの痛み、腫れ、膿が出るなどの症状が出現します。
原因としては、さまざまな薬剤(ビスホスホネート系薬剤、抗がん剤、がん治療に用いるホルモン剤、副腎皮質ステロイド薬など)などにより骨壊死が生じたことが報告されています。
特に、ビスホスホネート系薬剤と呼ばれる薬剤と顎骨壊死との関連性が注目されています。
ビスホスホネート系薬剤を服用している方は受診時に必ず申し出てください。
6月4~10日は、歯と口の健康週間です。(2016年5月)
歯と口の健康週間とは、「歯と口の健康に関する正しい知識を国民に対して普及啓発するとともに、歯科疾患の予防に関する適切な習慣の定着を図り、併せてその早期発見及び早期治療等を徹底することにより歯の寿命を延ばし、もって国民の健康の保持増進に寄与すること」を目的としています。
日本歯科医師会は、目的を達成するため報道機関等を通じて普及・啓発をおこなったり地区の歯科医師会ではポスター、広報資料等を作成し、関係方面へ配布したりイベントを開催して活動を毎年行っています。 この行事の元は歴史は古く1928年(昭和3年)から1938年(昭和13年)まで日本歯科医師会が、「6(む)4(し)」にちなんで6月4日に「虫歯予防デー」を実施したことが、始まりのようです。
Q:虫歯や歯周病は歯みがきしていれば心配ない?(2016年4月)
A:実は約8割の人にみがき残しが!20・30代は特に注意が必要です。 毎日きちんと歯をみがいているから自分は大丈夫と思い込みをしている人は多いようです。「歯みがきに自信がある」と回答した100人を対象にした調査によると、約8割もの人は、歯と歯ぐきの間にみがき残しがあることがわかりました。年代別にみると、20・30代が最もみがけていません。ちなみに、20代は成人のなかで歯科受診率が最も低いこともわかっています。自分でしっかりケアしているつもりでも、実は不十分である場合が多いのです。なお、歯や口の状態は人それぞれ違うので、アイテムの選び方や使い方は歯科医院で相談を。一人ひとりにあった「予防歯科」を今日から実践しましょう。(日本歯科医師会の広告より編集)
国は4月から「かかりつけ歯科医制度」を導入する。(2016年3月)
今後高齢者社会に対応するため、「かかりつけ歯科医制度」というものを4月から新設されます。
「かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所」として国で認められるためには歯科診療所であることは当然ですが、6つの条件を整えている必要があります。まず第一に歯科医師が複数名配置されていること、あるいは、歯科衛生士が一名以上配置されていること。第2に歯科外来診療における医療安全対策に係る研修、高齢者の口腔機能管理に係る研修を受けた常勤の歯科医師が一名以上配置されていること。第3に訪問診療を含め歯周病等しっかり治療をしている事。第4に不整脈などの緊急時にAEDの設置など体制が整備されていること。第5に在宅療養を担う医科や介護関係者等との連携体制が整備されていること。最後に安全対策の講演会や実習など参加、設備も含め十分な安全対応体制が整備されていることが条件となっており、国は歯科医療の質の向上を求めています。高山歯科医院はすべて対応出来る状態になっており今後も地域医療に貢献したいと思います。
ラオスの看護学校で歯科を教える旅(2016年2月)
1月11日から15日にかけて、歯科医学教育国際支援機構の依頼でラオスにボランティアに行ってきました。
概要は、ラオス到着翌日ラオスの国立ヘルスサイエンス大学の歯学部部長と副学長にご挨拶して歯学部を見学してボラサック病院長とNPO職員の持田さんとで車で6時間強かけてカムワッカン県の看護学校に向かいました。
ラオスでは歯科医師不足のため地方では看護士に簡単な歯科治療を担ってもらうため翌日学生60人近くに自作した歯科についてのスライド、教材で講義と実習をしてきました。
翌日看護学校の校長に挨拶を朝ヴィエンチャンに7時間弱車に乗り途中建て替えた保健所の歯科室を作る予定の部屋を視察。ヴィエンチャン到着後ホテル周囲を散策してボラサック病院長のご家族のご自宅で夕食会に招かれました。翌日朝5時に起きて空港に向かい帰国の強行軍でしたが、少しでも海外の歯科教育で貢献できればと思います。
歯周病菌のリポ多糖 (2106年1月)
歯周病菌からリポ多糖(リポポリサッカライド、LPS)と呼ばれる物質が放出されています。実はこのLPSが有害物質となって歯周組織に炎症を起こしたり、歯槽骨を破壊したりしています。また、歯周病菌が死滅しても、LPSが残っていれば毒素としての病原性は変わらないと言われています。さらにこの歯周病菌のLPS物質は、歯周組織を破壊するだけでなく場合により血管から全身へ行きわたりさまざまな悪影響を及ぼすことがわ解明されています。そのうえ体力が弱っている場合に肺に誤嚥すると肺炎にもなると言われています。
歯周病菌のLPSは代表的な関連病気として糖尿病があり医科でも注目されています。さらに早産による低体重児出産、脳卒中に細菌性心内膜炎等など歯周病菌は多くの関連性が認められています。
サルコペニアとは? (2015年12月)
1989 年,Irwin Rosenberg は,年齢と関連する筋肉量の低下を「サルコペニア」と提案しました。
人の高齢者に伴う重大な変化は,骨格筋量の進行的な低下ともなう体力や機能の低下です。サルコペニアは身体的な障害と健康障害の状態に関係が密接にかかわります。つまり,運動障害,転倒・骨折の危険性の増大,日常生活の活動能力(ADL)の低下,身体障害,自立性の喪失,および死亡する危険性の増大など大きな問題にかかわります。サルコペニアの発生を予防するためにはライフスタイルの変更や治療を特定することと歯科が関わる食支援による食事療法が重要になるのです。
歯周病の歯肉を外科手術すると言われた場合、保険が使えて実際にはどのような治療で、時間はどれくらいかかるか?(2015年11月)
歯周病の外科手術はほとんどが保険内で行うことが出来ます。また外科手術に必要な時間は治療対象となる歯の本数にもよりますが約1~2時間かかります。治療の後は、縫合して、包帯しますので、1週間後に縫合と包帯を除去し、経過を1~ 数ヶ月経過を追います。また、歯周病に対する外科手術には、いくつか種類があり、歯の周囲にあるポケットを除去するもの、歯を支えている人工の骨などを移植するもの、歯を磨きやすいように歯肉や粘膜の形を変えるもの、腫れが引かない歯肉を除去するものなどいろいろあります。
うがい薬は歯周病の予防に効果がある?良い歯ブラシとはどんな歯ブラシか?(2015年10月)
確かにうがい薬には殺菌作用があるものが多く、うがいによる自浄効果が期待できます。しかしうがい薬だけでプラークの除去は出来ない事は留意してください。うがい薬は、ブラッシングをきちんと行ったうえでの補助的なものと考えると良いでしょう。良い歯ブラとは、歯科医師、歯科衛生士に指導を受け個々に選んでもらったものが良い歯ブラシです。それは、すべての人に良い共通の歯ブラシというものはこの世にはないからです。歯磨きの方法と同様で、個々の患者さんの歯の並びや大きさ、歯肉の状態などにより、どのような大きさ、硬さの歯ブラシが適しているかは変わってくるのです。
食の見守りの介護報酬改定 (2015年9月)
平成27年度の介護報酬改定については、以下の基本的な視点に基づき、各サービスの報酬・基準についての見直しを行う事となりました。
(1)中重度の要介護者や認知症高齢者への対応の更なる強化 地域包括ケアシステムの構築に向けた対応 活動と参加に焦点を当てたリハビリテーションの推進 看取り期における対応の充実
(2)口腔・栄養管理に係る取組の充実
(3)介護人材確保対策の推進
(4)サービス評価の適正化と効率的なサービス提供体制の構築の四点です。
その中で(2)の口腔・栄養管理の取組の充実は歯科が大きく関わります。食の見守り等を行う口腔・栄養管理に係る取組の充実で特別養護老人ホームなどの入居者さんのQOLの大きな向上が見込めます。そのためには歯科医療機関を含む多職種連携できめの細かい対応が重要です。
「保健医療2035 」とは? (2015年08月)
国は現在の団塊の世代が75歳以上になる2025年を見据えて現在、医療保険と介護保険の融合した医療体制の準備を進めています。医療保険は2年毎、介護は3年毎に診療報酬が見直され今後、3年後と9年後に医療と介護の同時改訂があり徐々に高齢者に向けた医療介護の体系が完成する予定です。
しかし2025 年問題がクリアーしても2035年には団塊ジュニア世代が高齢者に突入する問題が生じます。そこで今年、厚生労働省は「保健医療2035 」を発表しました。これは2035 年を展望した上で、保健医療において守るべき基本理念や価値観、求められる変革の方向性について検討したものです。今までに経験したことのない超高齢者社会に日本は突入するのです。
歯石を取ったら歯ぐきが下がった? (2015年07月)
歯周病の治療に歯石をとったら歯ぐきが下がってすき間ができるときがあります。その上、食べ物がはさまったり、息が抜けてしゃべりにくくなったりすることがあります。
これは歯石を取った後歯肉が下がったのは、歯の間を塞いでいた歯石を除去したこと、歯石を除去したことで炎症を起こすばい菌が無くなり歯肉の腫れがひいたためです。すき間が開くと、結果的に食べ物がはさまりやすくなりまが歯ブラシや歯間ブラシで除去しなくてはなりません。息が抜けるのはある程度仕方ないことといえますので、このような症状が気になり、無くしたいのであれば、すき間の開いた歯にそれぞれ金属等のかぶせ物により対処できますが歯を削る必要が出てきます。かといって治療せずに放置すれば、ここまで進んだ歯周病では確実に歯が抜けるでしょう。
そうならないように早めの歯周病治療が必要になって来るわけです。
歯科衛生士法の改正(2015年06月)
今年4月に歯科衛生士法の一部が改正された。「歯科医師の直接の指導の下に」を「歯科医師の指導の下に」と改定され、その上、「歯科衛生士は、その業務を行うに当たっては、歯科医師その他の歯科医療関係者との緊密な連携を図り、適正な歯科医療の確保に努めなければならない。」 との条文が新設された。これらは訪問歯科診療など施設で診療に当たる場合に各患者さんの居室など別れて効率よく診療するため時代の実態に則した改定となった。
薬事法の改正(2015年05月)
私たちに大きくかかわる薬事法が革新的な医薬品・医療機器や再生医療の実用化及び医薬品等による健康被害の再発防止に向けた安全対策の強化を図るため昨年改定されました。
具体的には、最近の短いサイクルで改善・改良が行われた製品が市場に供給される場合が多い等の医療機器の特性を考えて、医療機器の製造業の許可制を登録制に見直すこと、医療機器の承認に代わる民間の第三者認証制度の対象を拡大することや均質でない再生医療等製品について、有効性が推定され、安全性が認められれば、特別に早期に、条件及び期限を付して製造販売承認を与えることを可能とすることなどの見直しを行うことし時代に合わせた改定が行われました。
うがい薬による歯周病予防効果の有無と塩による歯ぐきのマッサージは歯周病の予防について(2015年04月)
実は、うがい薬だけで歯に付着している汚れ、プラークの除去はできませんが、殺菌作用があるものが多く、うがいによる自浄効果は期待できます。しかしブラッシングをきちんと行ったうえでの補助的なものと考えて利用していくのが良いでしょう。また、塩は若干の殺菌作用や唾液分泌の効果があり、水分を吸収しますので歯肉が引き締まった感じがするかもしれませんが、塩自体に歯肉の血液循環を良くしたり、丈夫にするといった特殊な作用は残念ながらありません。
歯周病を治療時にチクチクする時もある! (2015年03月)
歯周病治療、歯石除去等を保険診療で行う場合の歯肉の検査では、歯と歯肉の隙間である歯周ポケットの深さを測ります。また歯石を取るときは歯肉の上に覆い被さるように付いている歯石を取り除くのでどうしても器具の先端が炎症を起こして敏感になっている歯肉に触れます。
しかしそれが我慢できないようであれば、表面麻酔(スプレー式の麻酔)を用いるなどの方法もありますので担当歯科医に相談して下さい。また、本来、適切な歯磨きができていれば歯石は付きませんが、歯石の付きやすさにも個人差があります。歯磨きの指導を受けても時間がたてば、その記憶が曖昧に疎かになりやすいのも事実です。
通常は1年に3回~4回が良いと言われていますので担当医に相談してください。
妊娠と口の中の環境 (2015年02月)
妊娠すると口の中の環境が悪くなることが多く有ります。原因は、まず規則的な生活ができないことにあります。また、妊娠するとすっぱいものがほしくなり、口の中を酸性の環境にします。さらに口の中が酸性の環境になると炎症を起こしやすくなったり、菌が増殖しやすくなります。つわりもあって、歯を磨こうとすると嘔吐感が出ることが多々あります。また、歯周病等を放置しておくと、女性ホルモンを好む細菌の増殖、さらに早産の危険性が高まりといわれているので要注意が必要です。普段の口腔ケアも大事ですが、妊娠したらより一層、口の中のお手入れに力を入れましょう!
歯の痛みについて (2015年01月)
虫歯や虫歯の治療で削る事により歯髄に炎症が起き、歯髄が死んでしまうことがあります。これは、歯髄が膨らむことができないための循環障害による歯髄の細胞死です。歯髄の血管は、根先の非常に小さな穴から供給されるのみなのです。炎症により多くの血液が歯髄に供給されるが、血流の排出が不十分になりやすく、循環障害を生じやすいのです。実は、その時に神経が圧迫され強烈な痛みを生じることがあるのです。
歯の神経の特殊性について (2014年12月)
歯の神経は「歯髄」と呼ばれていますが、歯髄には神経以外に血管も豊富にあり神経のみではないのです。さらに歯髄の血管の数が他の組織に比べて非常に多いことや歯髄血流量は口腔組織の中で最も多いことが判っています。周囲を象牙質、エナメル質など硬い組織で囲まれているため血流量の増大は歯髄内圧のを高めその結果、歯が痛くなるのです。また実は、歯髄は痛いという感覚以外は感じない組織なのです。次回はもう少し歯の痛みについて説明させていただきます。
歯ブラシは電動と普通の歯ブラシはどちらがいいか? (2014年11月)
歯ブラシは電動と普通の歯ブラシはどちらが良いかケースバイケースです。特に歯周病にかかった歯には電動歯ブラシだけでお口の中を隅々まで磨くのは難しいです。また、長期に使用することにより歯が余分に磨り減ってしまう場合があります。むしろ通常の歯ブラシで歯を磨き、電動歯ブラシは歯肉のマッサージ用くらいに考えておくと良いでしょう。
しかし、電動歯ブラシは高齢などの理由で手が上手く動かせない方に取っては大きな助けになるようです。
医学部の法医学教室の講義(2014年10月)
9月の第一週の1週間、某医学部の法医学教室の講義を毎日、朝から夕方までぶっ続けで聴講しました。歯学部では所属している法歯学の講義を毎年聞いていましたが、何回か行政解剖でお邪魔した某医学部の学生講義を聴講して歯学部との違いを確かめるのが目的でした。今回は時間が足りなかったので実習は来年見学する予定です。
講義内容は窒息、溺水、損傷の鑑別、死体現象、嬰児殺幼児突然死等とアメリカの法医学〈切り裂きジャックについてやアメリカ独特の捜査体制のプロファイリングなど)、虐待症候群などを学びました。多くは歯学部でも学びますが、医学部では現場の生写真が多くまた、実際関わった先生方の話は大変勉強になりました。とくに子供の虐待、DV,高齢者虐待は歯科医師も日常注意深く観察すると発見出来る内容なので今後も注意して診療をする必要があることを学びました。
板橋区の平成26年度成人歯科検診の実地について (2014年9月)
今年も板橋区では成人歯科検診を検診期間、平成26年9月1日~平成26年12月28日まで実施します。対象者は40,45,50,55,60,65,70歳の方々です。
本院でも受診できますが、前もって予約のご連絡を頂ければとお思います。
検診内容は、問診、口腔内診査(現在歯の状況、喪失歯の状況、歯周組織の状況、口腔内清掃状況等)です。対象の方には、すでに受診券を板橋区が発送したそうなので必ずお持ちください!費用は400円ですが、70歳の方には無料で受診できる無料受診券を送付しているそうです。
ところで、この検診の根拠法の健康増進法は、国民の健康維持と現代病予防を目的として制定された法律に基づいて行われるものなのです。
歯周病に対する喫煙の影響 (2014年8月)
日本歯周病学会では歯周病に対する喫煙の影響はすべてが解明された訳ではないが、喫煙が歯周病の最大の環境リスク因子であることは科学的に明らかと謳っています。
一番の影響はニコチンの作用で,血管収縮および線維芽細胞の障害です。
これらが喫煙者に見られる歯周組織の修復能力の低下や喫煙者の歯周治療効果の低下に影響しているものと考えています。
日本歯周病学会では禁煙により治療効果が向上するという研究報告もあり、また前喫煙者に対する治療効果が非喫煙者と同程度に期待できるということからも患者の禁煙意欲を向上させる事が可能でと考えています。
また、学会では受動喫煙(second-hand smoke)についても喫煙者本人だけでなく周囲にも為害作用をもたらすという点で社会的影響が大きいことに注意を促しています。
診療所で歯石をとった後で、時々歯がしみたりする原因 (2014年7月)
歯周病の場合、歯と歯肉の間にできたポケットの中に歯石が付着していますが、歯周病の治療ということで歯石をとった後で、歯がしみたりすることがあります。それは歯石を取ると歯の根の部分が露出するからです。
この部分は本来骨と歯肉でしっかり覆われていますが、歯周病が進むといつの間に骨が無くなり歯肉が剥れ、歯石で覆われてしまいます。この部分は歯の神経に近いので、冷たいものがしみやすくなることがあります。この場合、しっかりと磨いていればポケットが浅くなってしみなくなりますが、残念なことにしみるのには個人差もあり、症状が激しい場合は、歯の知覚が過敏になったことに対する治療が必要になることもあります。
では歯石を取らないとどうなるでしょうか?間違いなく歯周病が進みいつの間にか歯が脱落することもあります。歯周病はかなり進まないと痛くならないこともあり、やはり早めの治療が最善でしょう。
訪問歯科診療の受診方法(2014年6月)
かかりつけの歯科医院がある場合には、訪問診療をお願いしてみることです。その歯科医院で対応が難しい場合には、他の医療機関の紹介してくれると考えられます。あるいは、市町村保健センターなどの行政機関や主治医・介護職など身近の担当者に問い合わせれば、地域でのネットワークがすでに整備されていることが多いので、解決につながります。
なお、高山歯科院では同じ法人内の高山歯科院千川診療所(電話03-5995-0457)から訪問歯科診療、月曜日から金曜日まで板橋区、練馬区、豊島区を中心に伺っておりますので、ご相談ください。
喫煙は歯周病に悪影響に及ぼす? (2014年5月)
タバコにはニコチン、タール、一酸化炭素以外に約 200 種類もの有害物質が含まれています。これらの有害物質の相乗作用によって歯周病は悪化し、歯医者で治療しても時間が少し経つとまた悪くなります。
ニコチンには強力な血管収縮作用があり、歯ぐきが炎症を起こしても出血が抑えられ歯周病の症状である出血が隠されてしまうため、歯周病が気づかないうちに重症化してしまいます。また、タールは歯の露出面に黒褐色に沈着し、見た目が悪くなるだけでなくタールは基本的に発がん物質です。さらに一酸化炭素はニコチンとともに身体の免疫担当細胞の活動を著しく低下させてしまいます。
そこで禁煙することによって歯周組織は数週間で本来備わっていた免疫応答を回復するようになり、その上で歯周治療によって 1 年後には歯ぐきは本来の健康な状態に回復します。歯ぐきの黒ずんだ外観も時間はかかりますが少しずつ本来の健康な歯ぐきの色にもどります。なんと言っても禁煙することで受動喫煙により家族等に迷惑をかけることがなくなります。
周術期口腔機能管理とは? (2014年4月)
周術期口腔機能管理とは、がん等に関係する手術を行う予定がある患者さんの周術期(周術期とは、入院、麻酔、手術、回復といった、患者の術中だけでなく前後の期間を含めた一連の期間のことです)に歯科医師が医師と連携して口腔機能の管理を行う平成24年度から導入された保険制度です。がん患者などの全身麻酔下での手術や放射線療法や化学療法の前後に虫歯や歯周病など歯科疾患治療を歯科で周術期口腔機能管理を行うことで、誤嚥性肺炎を含む術後肺炎などの合併症予防ができることが期待されています。
地域包括ケアシステムとは? (2014年3月)
75歳を超えると要介護認定者が急激に増えると言われていますが、団塊の世代の方々が75歳を超える2025年には、爆発的に介護が必要になるでしょう。特に要介護者で3以上になると自己での排泄処理が困難になり自宅での生活に支障が出てきます。今のうち対策を練らないと手遅れになってしまうと考えられています。
そこで在宅を主眼にした地域包括ケアシステムではこの支障のクリアーも重要になると思われます。
厚生労働省は「今後、認知症高齢者の増加が見込まれることから、認知症高齢者の地域での生活を支えるためにも、地域包括ケアシステムの構築が重要です。人口が横ばいで75歳以上人口が急増する大都市部、75歳以上人口の増加は緩やかだが人口は減少する町村部等、高齢化の進展状況には大きな地域差が生じています。地域包括ケアシステムは、保険者である市町村や都道府県が、地域の自主性や主体性に基づき、地域の特性に応じて作り上げていくことが必要です。」と述べています。これは今後地域により人口年齢層が大きく異なるために画一な計画では対応できなくなるためそれぞれ地 域に合ったシステムを構築する必要があることを示しています。
金属アレルギーとは?(2014年2月)
最近、歯科用金属による金属アレルギーの報告が増えてきています。
金属アレルギーは金属から溶出した金属イオンが、体内にあるタンパク質と結合し生じる免疫反応です。歯科金属アレルギー症状としては掌蹠膿疱症などが有名です。
治療はパッチテストなど検査結果等により、歯科用金属が原因であると判断された場合、実際、外用薬や内服薬の使用では治癒しないため、歯科用金属除去などの治療が行われます。ところが、人により陽性に反応した金属を除去したとしても、手掌や足踵に生じた水疱などの臨床症状が即時に軽減あるいは消褪するとは限らず、金属除去から数年の年月がかかることもあり、治療に時間が多くかかることもあります。
社会福祉協議会とは?(2014年1月)
社会福祉協議会は、戦後アメリカから導入された地域福祉とその技術であるコミュニティワークの普及推進と、民間の社会福祉活動を推進することを目的とした営利を目的としない民間組織です。1951年に制定された社会福祉事業法に基づき、設置されています。また、全国、都道府県、特別区、政令指定都市、市町村単位で組織されており、基本的には社会福祉法人格を持つています。
また、社会福祉協議会は、地域に暮らす住民のほか、民生委員、児童委員、社会福祉施設や社会福祉法人等の社会福祉関係者、保健、医療、教育など関係機関の参加、協力のもと、地域の人びとが住み慣れたまちで安心して生活することのできる「福祉のまちづくり」の実現をめざした幅広い活動をおこなっています。いわば、民間福祉事業者と住民と行政機関との橋渡しを行っている半民半官の特別な民間組織団体です。
先進医療とは?(2013年12月)
先進医療とは、厚生労働省が将来的な健康保険導入のための評価を行うものとして、未だ健康保険診療の対象に至らない先進的な医療技術等と健康保険診療との併用を認めた特別の技術で、すでに安全性や効果が確認された医療制度のことを言います。
先進医療は、健康保険では療養給付はされずに全額自己負担となりますが、保険外給付として健康保険診療を併用利用することできます。また、先進医療を取り扱う医療機関には、様々な健康保険の規制等が数多くあり、ほとんどが大きな病院で行われています。
高齢者の介護や治療に当たる場合の基本 (2013年11月)
高齢者の病気の特徴としては個人差が大きいので、個人の機能や病態の把握と評価を正確に行い、状態に対応する必要が必要があります。また、複数の疾病や障害を有することが多いため、常に全身的な観察と管理が必要です。
高齢者は潜在的に老化による病変があることで多く急変しやすく、また、回復力や予備能の低下から重篤化しやすいので注意も必要です。さらに症状や所見、経過が典型的でないことが多いだけでなく、薬や他の疾患により副作用が出やすくなったり本来有効な薬の効果が少なくなる事もあります。その上、慢性疾患が多く、予後が治療、ケアやリハビリテーションの状況や生活環境などにより大きく影響されます。
さらに、うつや認知症様症状、幻覚などの精神症状を生じやすいことなど様々な事を高齢者の介護や治療に当たる場合は念頭に入れなければなりません。
関節リウマチと歯周病 (2013年10月)
30~50歳代の女性に好発すると言われている関節リウマチは,免疫異常により関節に腫脹、疼痛を伴う炎症性疾患で,その患者数は日本で100万人程度と言われています。
これまで,多くの臨床研究や疫学調査から,関節リウマチ患者の歯周炎罹患率は関節リウマチ以外の集団と比べて歯周病になる率が高く,最近、関節リウマチと歯周病の原因に関連する炎症性サイトカイン注1)が、関節リウマチと歯周病が共通して、この炎症性サイトカインをコントロールすれば関節リウマチと歯周炎を改善できるのではないかと注目しています。
注1)サイトカインは細胞どうしが連絡をとりあう信号で、細胞の炎症を強めるものが炎症性サイトカインです。その結果、組織の崩壊をもたらします。
歯周病にはかかりやすさはある? (2013年9月)
実は歯周病にはかかりやすさはあると言われています。
大きく分けて口の中の状態と全身状態に影響されるとされています。前者は歯並びや歯周病菌の種類や粘膜の形が影響すると考えられ、後者は生活習慣(喫煙など)やそれに関する病気(糖尿病など)、遺伝的影響など、色々な要素が関わって歯周病にかかりやすくなるとされています。また、遺伝子診断、免疫応答・炎症反応の検査により歯周病にかかりやすい患者さんがいると報告されています。特に通常は40歳前後に症状があらわれる歯周病が10歳代後半からあらわれる早期発症型と呼ばれる歯周病がこれにあたります。(NPO日本歯周病学会ホームページより)
しかし歯科医院で適切な処置治療を受け日常の歯ブラシ、口腔ケアで歯周病は改善、防ぐことが出来ます。
日本の窒息の現状 (2013年8月)
平成22年度の人口動態統計によると窒息(不慮の事故)は死因の第5位です。肺炎が第3位、脳血管疾患が4位、老衰が6位といわれています。また、不慮の事故のうち、窒息は9879人(24.3%)で過去に1万人を超えた交通事故の死亡人数は平成22年には7222人(17.7%)と減少しており窒息が原因で亡くなる方のほうが多いのです。また、注目すべき点は窒息で亡くなる方のうち8601人(87.1%)は65歳以上です。
特に食品による予防としては次の6項目を実行しましょう。
1)正しい姿勢と本人の状態に合わせた食形態を選んで食べましょう。
2)一口の量は無理なく食べられる量にしましょう。
3)食べ物を一口入れたら、いつもより5回多く噛むようにしましょう。
4)目標は一口30回噛む事です。
5)しっかり噛んでだ液とよく混ぜ合わせてから飲み込みましょう。
6)歯のない方は入れ歯をいれてしっかり噛みましょう。
歯周病が身体の機能を衰えさせる? (2013年7月)
老化とは一般的に「歳をとるにつれて身体の機能が衰えること」とされている。
この原因について 最近、「活性酸素によって身体の細胞や組織が酸化して変質し、機能が衰える」のではないかという『活性酸素説』が注目されるようになって来ています。
ところで「歯周病は身体を錆付かせる」と言われて来ていますが、実は歯周病は慢性の炎症状態が長く続くと身体を錆びさせるこの物質が大量に産生されるとの事です。この物質が活性酸素あるいはフリーラジカルです。これらは身体を錆びつけさせる悪玉です。その他にも身体が老化してしまう多くの物質が歯周病に罹ると大量に発生します。
歯周病は老化が進む原因の一つなのです。
訪問歯科治療での介護保険利用は介護支援専門員の計画範囲外 (2013年6月)
介護保険のサービスを利用するには、介護認定を受ける必要があります。
板橋区場合、区役所介護保険課か健康福祉センター(板橋、赤塚、志村)福祉事務所もしくはおとしより保健福祉センター、代行機関として地域包括支援センターの窓口で申請する必要があります。なお申請する際介護保険被保険者証が必要です。
申請が終ると要介護認定は認定調査の結果をもとに行われます。要介護認定は要支援1・2、要介護1~5の7つの段階に分けられるます。
これをもとに、どのような介護サービスを組み合わせて利用するか検討、決めるのが介護支援専門員(通称ケアマネジャー。略称ケアマネ)ですが、訪問歯科治療での介護保険利用は介護支援専門員の計画範囲外で利用が出来ることはあまり知られていません。
高額療養費制度とは? (2013年5月)
暦月(月の初めから終わりまで)に医療機関でかかった自己負担額を世帯単位で合算し、自己負担限度額を超えた分については保険者(全国健康保険協会、公的医療保険組合等)によって支給され,患者さんが診療所や病院などの窓口で支払う医療費を一定額以下にとどめる制度です。
しかし入院時の食事療養や生活療養、部屋代等の特別料金、歯科材料における特別料金、先進医療の先進技術部分、自費診療を受けて償還払いを受けた場合における算定費用額を超える部分など、保険外の負担については対象外となります。
基本的には、保険者に対し高額療養費支給申請書を提出することで自己負担限度額を超えた分について後に支給されるますが、保険者によっては支給申請書を提出しなくても自動的に支給される制度を採っていることがあるので加入している健康保険証の保険者に確認したほうが良いでしょう。 また、高額療養費では、年齢や所得に応じて、ご本人が支払う医療費の上限が定められており、またいくつかの条件を満たすことにより、さらに負担を軽減する仕組みも設けられています。
医薬品副作用被害救済制度での副作用救済給付の請求はどのようにするか?(2013年4月)
副作用救済給付の請求は、健康被害を受けた本人(死亡した場合はその遺族のうち最優先順位の者)が請求書に診断書などの必要な書類を添えて機構に直接行うことになっています。
医薬品の副作用による健康被害者の救済には、発現した症状及び経過とその原因とみられる医薬品との因果関係等の証明が必要です。そのため、医師の診断書、投薬証明書を機構に提出して頂くことが必要になりますので、診断書等の作成について担当医師にお願いして下さい。
副作用の治療を行った病院が2ケ所以上の場合は、それぞれの病院の担当医師に診断書等を作成して頂くことが必要です。 また、診断書は、副作用救済給付の種類及び発生した副作用の症状により様式が異なっており、それぞれの種類、症状に応じたものが必要となります。
なお、請求書、診断書などの用紙は機構に備えており、患者や家族からの申し出に応じて無料でお送りいたします。
医薬品副作用被害救済制度での「日常生活が著しく制限される程度の障害の状態」とは?(2013年3月)
医薬品副作用被害救済制度でので障害の状態とは、症状が固定している状態、又は症状が固定しないまま初診日から1年6ケ月を経過した後の状態をいいます。
支給の対象となる障害は、「1級」と「2級」に該当する程度の状態であり1級の障害とは日常生活の用を自分ですることができない程度の障害で2級の障害とは日常生活に著しい制限を受ける程度の障害のことを指します。
医薬品副作用被害救済制度での「入院を必要とする程度の医療」とは?
(2013年2月)
医薬品の副作用による疾病について、必ずしも入院治療が行われる場合に限定されるものではなく、入院治療が必要と認められる場合であっても、やむを得ず自宅療養を行っている場合でも、救済の対象になります。 なお、入院している場合であっても、医薬品の副作用による疾病だけをみると入院治療を必要とする程度であると認められないときは、救済の対象になりません。
医薬品副作用被害救済制度での対象除外医薬品とされている医薬品とは? (2013年1月)
対象除外医薬品は、次のとおりです。
1. がんその他特殊疾病に使用されることが目的とされている医薬品であって、厚生労働大臣の指定するもの 抗悪性腫瘍剤、免疫抑制剤など
2. 人体に直接使用されないものや、薬理作用のないもの等副作用被害発現の可能性が考えられない医薬品 動物用医薬品、製造専用医薬品、体外診断用医薬品など
救済の対象とならない場合とは?(2012年12月)
副作用救済給付の対象にならない場合は、次のとおりです。?
?1. 法定予防接種を受けたことによるものである場合 ?(任意に予防接種を受けたことによる健康被害は対象になります。)
?2. 医薬品の製造業者や販売業者などに損害賠償の責任が明らかな場合?
?3. 救命のためやむを得ず通常の使用量を超えて医薬品を使用したことによる健康被害で、 その発生が予め認識されていた等の場合
?4. がんその他の特殊疾病に使用される医薬品で厚生労働大臣の指定するもの (対象除外医薬品)等による場合
?5. 医薬品の副作用のうち軽度な健康被害や医薬品の不適正な使用によ るもの等である場合
医薬品副作用被害救済制度での薬などの副作用の救済の対象となる健康被害とは?(2012年11月)
副作用救済給付の対象となる健康被害は、昭和55年5月1日以降に医薬品を適正に使用したにもかかわらず発生した副作用による疾病(入院を必要とする程度のもの。)、障害(日常生活が著しく制限される程度の状態のもの。)及び死亡です。 ?また、ここでいう医薬品とは厚生労働大臣の許可を受けた医薬品であって、病院・診療所で投薬された医薬品、薬局などで購入した医薬品のいずれでも救済の対象となります。 ?
しかし、すべての健康被害を対象としているわけではなく、対象にならない場合があります。 ?
なお、医薬品による副作用とは、健康被害が医薬品によることが明らかな場合をいいますので、添付文書に記載されているような既知の副作用が発生した場合も、救済の対象となります。
医薬品副作用被害救済制度での薬の「適正な使用」と救済の対象となる健康被害とは? (2012年10月)
「適正な使用」とは、原則的には医薬品の容器あるいは添付文書に記載されている用法・用量及び使用上の注意に従って使用されることが基本となりますが、個別の事例については、現在の医学・薬学の学問水準に照らして総合的な見地から判断されます。
また、薬などの副作用の救済の対象となる健康被害とは、昭和55年5月1日以降に医薬品を適正に使用したにもかかわらず発生した副作用による疾病(入院を必要とする程度のもの。)、障害(日常生活が著しく制限される程度の状態のもの。)及び死亡です。
また、ここでいう医薬品とは厚生労働大臣の許可を受けた医薬品であって、病院・診療所で投薬された医薬品、薬局などで購入した医薬品のいずれでも救済の対象となります。 しかし、すべての健康被害を対象としているわけではなく、対象にならない場合があります。 なお、医薬品による副作用とは、健康被害が医薬品によることが明らかな場合をいいますので、添付文書に記載されているような既知の副作用が発生した場合も、救済の対象となります。
救済制度(医薬品副作用被害救済制度)はどういう目的で設けられたか?
(2012年9月)
医薬品は、今日医療上必要不可欠なものとして国民の生命、健康の保持増進に大きく貢献していることは改めて言うまでもありません。他方、医薬品は有効性と安全性のバランスの上に成り立っているものであり、副作用の予見可能性には限度があることなど医薬品のもつ特殊性から、その使用に当たって万全の注意を払ってもなお発生する副作用を完全に防止することは、現在の科学水準をもってしても非常に困難であるとされています。 また、これらの健康被害について、民法ではその賠償責任を追及することが難しく、たとえ追及することができても、多大の労力と時間を費やさなければなりません。
救済制度は、医薬品を適正に使用したにもかかわらず発生した副作用による健康被害者に対して各種の副作用救済給付を行い、被害者の迅速な救済を図ることを目的とし、医薬品医療機器総合機構法に基づく公的制度として設けられたものです。
なお、医薬品の副作用によるすべての健康被害を対象としているのではなく、救済の対象とならない場合があります。
薬の副作用には医薬品医療機器総合機構! (2012年8月)
医薬品医療機器総合機構とは、平成13年に閣議決定された特殊法人等整理合理化計画を受けて、国立医薬品食品衛生研究所医薬品医療機器審査センターと医薬品副作用被害救済・研究振興調査機構および財団法人医療機器センターの一部の業務を統合し、独立行政法人医薬品医療機器総合機構法に基づいて平成16年4月1日に設立され、業務を開始しました。
この機構は、医薬品の副作用や生物由来製品を介した感染等による健康被害に対して、迅速な救済を図り(健康被害救済)、医薬品や医療機器などの品質、有効性および安全性について、治験前から承認までを一貫した体制で指導・審査し(承認審査)、市販後における安全性に関する情報の収集、分析、提供を行う(安全対策)ことを通じて、国民保健の向上に貢献することを目的としています。
次回はこの機構の業務の医薬品副作用被害救済制度について少し詳しくお話します。
8020運動 (2012年7月)
「8020運動」とは「(財)8020推進財団」のホームページによると"80歳になっても20本以上自分の歯を保とう"という運動です。平成元年、厚生省(現・厚生労働省)と 日本歯科医師会が提唱し、 自治体、各種団体、企業、そして広く国民に呼びかけてきました。
なぜ、あえて8020という数字を掲げたのか、 その理由は智歯(親知らず)を除く28本 の歯のうち、 少なくとも20本以上自分の歯があれば、 ほとんどの食物を噛みくだくことができ、 おいしく食べられるからと説明しています。 つまり、 "高齢になっても20本以上自分の歯を保ちましょう" というのが、その主旨だそうです。この運動を、国民運動としてさらに発展させていくために、歯科に関係のある各種団体、企業の協力のもと平成12年12月1日、厚生大臣(現厚生労働大臣)の許可を得て設立されたのが「(財)8020推進財団」。 その事業活動は、8020運動の推進はもとより、 口腔と全身との関係に関する情報の 収集・提供・調査研究などを主な柱としているそうです。
この運動のおかげで現在80歳で20本の歯の保持者は増えました。今後は歯が20本あるだけでなく一生口から食べられることも推進していくと良いと思います。
乳歯は大切!(2012年6月)
小さなお子様の歯は全部で20本生えてきますが、3歳までの歯磨きのポイントは、小さなお子様は歯を磨くという行為に対して嫌がらない工夫をしてあげることが大切です。ですから、笑顔で優しくマッサージをするように歯磨きをしてあげることが大切になります。例としては、1歳くらいは脱脂綿やガーゼに水を含ませて、歯を拭いてください。そして2歳くらいは歯と歯のあいだ奥歯のミゾの部分に気をつけてお母さんが磨いてください。まだ歯磨き粉を使う必要はありません。
3歳くらいは、できればお子様に自分で歯を磨く練習をさせてください。最後にお母さんが必ず磨き直しをしてください。また、奥歯の間は糸ヨウジを使うと虫歯予防効果が上がります。
一方、小さいときから食べ物をよく噛むことで、そのアゴの振動が直接脳に伝わります。その脳への振動が脳細胞を活性化させ、知能の発達を促すという研究発表もあります。動物を使った実験では、削り、「噛む」ことが難しくなった動物は以前よりも明らかに運動能力が低下しました。子供も大人も噛む事は大切です。
また、実は食べ物を食べた時にでる「唾液」には殺菌・消化能力があります。これは自浄作用といって、本来人間が持つすばらしい能力の一つです。その唾液は「噛む」という行為で出やすくなります。したがって、食べ物をきちんと噛める歯にしておかないと、唾液の量も減ります。その影響で、胃腸の消化吸収力を助ける能力も減ってくるのです。
歯周病は全身に影響する事がある!? (2012年5月)
最近、歯周病が全身に影響があるといわれています。
しかし、歯周病の治療を歯科医院受診や訪問歯科を行うことにより、口腔内の細菌をコントロールされて肺炎、糖尿病、心疾患や低体重児出産などの病気を未然に防ぐことが可能な場合があると学会などで発表されております。
また、歯周病の多くは、原因であるプラークや歯石を日々の歯ブラシや、歯科医師の診療を年に数回受診して治療を受けることにより予防することが出来ますが、なんといっても毎日の正しい歯ブラシ、口腔ケアが一番効果があるようです。
口腔ケアとは?(2012年4月)
広義には口腔の持つ,種々の働き(機能)が障害された場合,これらの働きがより健全に機能するよう手当て(ケア)をすることですが、狭義には口腔内の衛生状態を改善し,口腔疾患と口腔内に起因する全身疾患の予防に努めることです。
特に歯科医師、歯科衛生士が行う口腔ケアは、専門的口腔ケア(管理)とされており、これは第一に感染予防(う蝕,歯周病、歯性感染症などや呼吸器感染症の予防や特に誤嚥性肺炎など)であり次に口腔機能の維持,回復摂食嚥下障害の改善、口腔内爽快感,口腔感覚の向上にともなう食欲の増進を目的にしています。また、全身の健康の維持,回復,および社会性の回復、食欲増進による体力の維持,回復。体力の維持,回復に伴うADL向上言語の明瞭化や口臭の消失などによるコミュニケーションの改善なども考慮にいれて行うものです。
審美歯科とはなんでしょう?(2012年3月)
従来の歯医者の治療は、悪いとこだけなおすことだけに主眼をおかれてきました。虫歯があれば、虫歯の部分を削って詰め物をしたり金属の冠(クラウン)をかぶせたり、あるいは歯が抜けたら、型を取り入れ歯やなどの義歯をいれたりしてちゃんとかめれば良いとしてきたのですが、審美歯科とは、単に白い歯をかぶせるのではなく、その人の口の中に最適である歯をかぶせるために歯並びや美しいバランスのとれた歯肉の形態を形成し口の中でトータル的に美しい環境を作りこの歯の治療を通して「いきいきとした表情」を作ることを目的にしています。そのためには心身ともに朗らかで健康であることが大切です。
一般的には、歯医者は、その人を診察して審美歯科を通して、歯は顔を作り、さらに顔は表情を作ります。そして表情は人生を作ることにも期待して治療を行っています。
では、どのように行っていくのでしょうか?治療を行う際には、さまざまな手法の中からいくつかを選択し、組み合わせ、そして順序立てが行うことが重要です。
参考に審美歯科の手法の例を以下に示します。
?●歯の汚れを取る方法(プロフェッショナルトゥースクリーニング)
?●プラスチックの詰め物を治療しなおす方法
?●漂白する方法(ホワイトニング)
?●貼りつける方法(ラミネートベニア)
?●冠をかぶせる方法(メタルボンド、ジルコニアなど)
?●見た目の良い歯ぐき(歯肉)
ホワイトニングの欠点は何か?(2012年2月)
ホワイトニングの欠点はいくつかあります。
・保険診療が効かないので費用が全額負担で治療費が高い
・短期間で色が後戻りすることがある
・ホワイトニングで知覚過敏症を生じることがある
・オフィスホワイトニングでは必ずしも一度で希望の歯の色にならない
・歯を真っ白にする場合ホワイトニングでは無理なケースがある
ホワイトニングの方法の中にウォーキングブリーチ法という方法がありますが、歯が割れやすくなるなどの欠点があります。上記の場合の対策としては、後戻りに対しては年に何回かホワイトニングを再度行う。フッ素など薬で知覚過敏症対策を行う。また、ラミネートベニア法という保険外で歯の表面のエナメル質を薄く削ってセラミックスのシェルを特殊なセメントでつけたり、場合により歯を削って神経をとって、やはり瀬戸物の保険外の歯をかぶせることもあるので担当の歯科医師に良くご相談してから決断したほうが良いでしょう。
お口の日ごろの手入れと定期的な受診(2012年1月)
歯科治療の大半は、虫歯と歯周病に対するものです。また、生涯にわたる歯の健康を目標としたときには、どうしても「治療」と「メインテナンス」は切り離すことのできない、「一体」のものとなります。
ここで医療、福祉が充実しているスウェーデンでの例を挙げてみますと、スウェーデンでは20年以上前から最低3ヶ月に1度は歯のメンテナンスを受けるという義務が国民にルール付けてきた結果、義歯を入れる人は人口のわずか1.7%で80歳で平均25本の歯が残っているという驚くべき成果が示されていると言われています。
おなじ、福祉国家であるオランダでも同様な方法で80歳で25本の自分の歯を残すことを達成していますと言われています。
一方、日本では痛くなったときに歯科医院に通うというスタイルの結果、80歳でわずか6本前後の歯が残っているのが現状です。
メインテナンスを日常的な習慣とするスウェーデンやオランダと、そうでない日本の現状を比較すると、その差は歴然とします。
定期的な受診の頻度が後々の自分の歯の健康につながってくることがわかると思います。一生、できるだけ自分の歯で過ごしたいとお考えであれば、定期的な歯科受診をされることをお勧めします。
定期的な検診について(PDF)
乳歯はいつごろ生えるのか(2011年12月)
乳歯の歯の種類は5種類あり、左右は対称ですが、上下は同じ名前の歯であっても大きさや形が異なります。乳歯はすべて生えると全部で20本になります。歯科ではそれぞれの乳歯略号として、真ん中の前歯からAからEと番号を振ってます。
乳歯のA.は一番手前に位置する前歯で乳中切歯(にゅうちゅうせっし)と呼んでいます。 乳歯のBは. Aの隣に位置する前歯で、乳側切歯(にゅうそくせっし) と呼んでいます。乳歯のCは乳歯の犬歯で乳犬歯(にゅうけんし)となります。乳歯のDはCのすぐ後ろに位置する奥歯で第一乳臼歯(だいいちにゅうきゅうし)と呼んでいます。乳歯のEは一番後ろに位置する奥歯で 第二乳臼歯(だいににゅうきゅうし)と呼ばれています。
乳歯が生える順番と同様、生える時期にも個人差があります。
生え方の目安として
1)まず、生後7ヵ月前後で下のAが2本がほぼ同時に顔を出し、次に上のAが生えてきます。
2)1歳前ぐらいで,Aが4本生えそろうのと前後して、両隣にBが生え、上下に4本ずつの前歯が生えそろいます。
3)1歳過ぎてぐらいから犬歯のCでは無く、先に上下2本ずつの奥歯のうち、手前のDが生えてきます。4本がほぼ同時に生えてくることが多いです。
4)1歳半以上してからBとDの間に、犬歯であるCが生えて、上下合わせて16本になります。
5)3歳前後に Dの奥に、Eが上下左右4本生えてきます。これで乳歯20本すべてが生えそろいます。
ホワイトニングとは(2011年11月)
ホワイトニングは歯を白くする治療ですが、気をつけなくてはいけない点は白くすることが出来る歯と白くすることが出来ない歯があることです。
白く出来ない歯とはすでに歯科治療をされていてプラスチックが入ったプラスチック部分や瀬戸物の歯など人工物による治療をされている場合です。また、ホワイトニングは漂白で白くするものなので、たとえば、食器などの茶渋、取れ難い洋服の汚れを漂白して白くすると考えてもらうと良いかもしれません。したがってもともとある食器の模様などは漂白できません。さらに、虫歯などによる着色などは治療をやり直す必要がありますが、まずは全体にホワイトニングをしてから治療しなおすことをお勧めします。なぜならば、先ほども述べたように治療後ホワイトニングすると治療部分は白くならないのでアンバランスになるからです。
ホワイトニングが出来る歯は、個人差がありますが、目安としては鏡で前歯と奥歯を見たときに奥歯は前歯ほど光が届かないので少し暗く見えると思いますが、その色の差ぐらい白く出来ると考えると良いかもしれません。
またホワイトニングの方法はオフィスブリーチングとホームブリーチングがあります。オフィスブリーチングは診療所で白くする方法です。またホームブリーチングは専用のマウスピースを作成して自宅で毎日2週間ぐらいかけて歯を白くする方法ですが、両方とも利点欠点がありますので注意しましょう。また、どちらの方法も一度白くしても後戻りがあるので手入れが必要です。
乳歯 (2011年10月)
乳歯とは、人の成長、発達と深い関係があります。子供の頭の大きさを見て、大人と比較すれば、小さいことは誰にでもわかります。大人の歯は、通常すべて永久歯ですが、親知らずを入れると28本もあります。一方、頭の小さい子供の乳歯は全部生えても20本しかなく、小さい頭の大きさにちょうど良いのです。
乳歯は前方から順に乳中切歯、乳側切歯、乳犬歯、第一乳臼歯、第二乳臼歯と呼ばれていますが、この小さい子供の頭の成長に合わせて前歯から少しずつ萌出してくるのです。そして、乳歯は永久歯と比べてエナメル質と象牙質の厚みが薄く柔らかく、全体的に歯は小さく、青白や乳白色を示しています。さらに、石灰化度が低いため、う蝕になりやすいですが、生え変わると永久歯になり、乳歯と比べ発達していまして、大きく、丈夫になっています。また、乳歯は食べ物を噛んだりするだけではなく、正しく発音するために大切です。さらにあごの成長にも密接に関わってきます。乳歯は永久歯が生えそろうまで、永久歯の生える場所と噛み合せの関係を確保していて、永久歯が子供の頭の成長に合わせて順次萌出するのに合わせて乳歯は、咬みあわせが狂わないように順次抜けてゆきます。
したがって、乳歯の歯と歯の間が虫歯になったり、虫歯で乳歯のスペースがなくなると、あとから生えてくる永久歯の場所がなくなり、かみ合わせに悪影響を及ぼすので、日ごろからのお手入れと歯科検診が大切になります。
口腔乾燥症への対応は? (2011年9月)
口腔乾燥症への対応として2つあります。
一つ目は人工唾液です。これはスプレータイプで使いやすいく生体内保湿成分(ヒアルロン酸)配合しています。しかし欠点としては保湿効果は比較的短い事と、抗菌作用はない事、さらに、弱酸性のため使用しすぎは歯の脱灰を進める欠点があります。
もうひとつはジェル状保湿剤です。手指で塗ることができる事と保湿効果は6~8時間といわれていて比較的長い時間保湿してくれます。また、抗菌作用もあります。介護では主にこちらが利用されていますが、量を多くするとベタベタになってしまう欠点がありますので適量を使用しましょう!
訪問歯科とは? (2011年8月)
訪問歯科診療とは、簡単にいえば「歯医者さんの往診」のことです。要介護認定を受けてご自宅や施設で療養している高齢者や、体が不自由な障害者の方などで、歯科医院へ外来で通院することが困難な方のために、歯医者さんと歯科衛生士が、ご自宅や施設へ直接お伺いし、診察・治療・メンテナンス診療などを行う、歯科診療のことです。
【訪問歯科診療の主な内容】
◆ むし歯の治療、歯石の除去
◆ 入れ歯の修理や調整、新しい入れ歯の制作
◆ 口腔ケアの指導、誤嚥性肺炎の予防、口臭予防
◆ 摂食・嚥下訓練
訪問歯科を利用することにより、最近は高齢者に多い病気で誤嚥性肺炎を予防することが周知されています。誤嚥性肺炎は、口腔内の細菌などが気管に入って発病する病気です。お口の中が大変不潔な状態にあり、体力が低下している方は、食物の残りかすなどが気管に入ると、細菌感染が起こりやすいといわれています。その結果、肺炎に移行しやすくなります。口腔内を清潔に保つことは、虫歯や歯周病の予防だけでなく、誤嚥性肺炎などの予防にもつながるといわれており、健康維持のためにも大切なことといえます。
今後、高齢者が多く入居している施設や介護事業所と歯科医療機関の訪問歯科による連携が期待されています。
経管栄養の人こそ口腔ケアは必要! (2011年7月)
寝たきりの人でも身体を洗っていないと、垢が溜まってしまいます。食べていないから口腔ケアを行わないと、口腔内に汚れが溜まってしまいます。
経管栄養法で栄養管理が行われている人は、口から食べていませんから口腔内に食べカスが溜まる事はありません。しかし、自浄作用(唾液の働きなど)が低下をしていますから口腔内の衛生状態は悪くなりがちです。誤嚥の危険を有する場合が多く、口腔内の汚れや細菌の誤嚥により肺炎を引き起こす可能性が高いのです。
したがって、経管栄養の人こそ口腔ケアは必要なのです。
医療費削減に貢献する歯科治療 (2011年6月)
歯科診療は医療費削減の効果があると最近言われてきています。少し古いデータですが2005年度の老人医療費は11兆円であり、そのうち老人歯科医療費は3850億円(3.5%)とわずかでした。
また、歯科医療費の受療率は、70~74歳をピークに急速に減少していきます。
これは、患者が急性期医療施設から回復期、福祉施設などへ移っていく間に、歯科医療機関と患者との関係がとぎれてしまい、歯科医療が高齢者に十分提供されてこなかったととの考えもあります。 特に、歯科衛生士による介護サービスが重傷者になるほど不十分になるなど、全身疾患の状況にも左右される側面もあると考えられています。
口腔ケアには、要介護高齢者の誤嚥性肺炎を予防する効果があります。口腔ケアを行っていると誤嚥性肺炎の発症を42%抑制できます。患者さんが誤嚥性肺炎になると約160万円の入院・治療費がかかるといわれています。誤嚥性肺炎を予防する口腔ケアの取り組みは医療費を大きく削減することが出来ます。
高齢者で20本以上歯を持っている人は、医科医療費が約2割前後安くなると報告されています。80歳の方が全員、20本以上の現在歯を持てば、医療費は1兆円超が削減できるとの試算もあるくらいです。
シーラントには年齢制限はあるのか? (2011年5月)
シーラントに年齢制限はありませんが、健康保険で認められているのは、初期の虫歯と診断された乳歯、生えたての永久歯のみです。
また、シーラントをするのに適した時期は萌出から4年未満の歯などといわれていますから個人差はありますが、一般には9歳前後までです。
一方、これら以外の虫歯では無い歯や永久歯が全部萌出し終えた永久歯歯列でのシーラント治療は健康予防と考えられるので病気を治すための健康保険が利用出来ないので保険給付外いわいる自費診療になります。自費というのはそれぞれの診療所に値段の判断がゆだねられているので、決まった値段というのはありません。
シーラントとは? (2011年4月)
奥歯などはよく見ると溝があります。しかし虫歯はこの溝から虫歯になることが多いのです。そこで、その溝を初めから埋めてしまおうとしたものがシーラントなのです。
シーラントには、基本は奥歯の溝をレジンといわれるプラスチックで物理的に封鎖することで口腔内の環境から遮断する方法です。
さらにグラスアイオノマーといわれるセメントで奥歯の溝を物理的に封鎖することに加え、シーラント材の中に含まれるフッ化物が再石灰化作用を促進する方法などがあります。これは歯医者さんが行う歯科治療行為です。
また、シーラントをするのに適した歯は、深く複雑な溝を持つ奥歯やほ萌出から4年未満の歯などといわれています。他に一度詰めても脱離したり割れて隙間ができてしまったりすることもあるので経過観察する必要があります。
シーラントは、きちんとシールされていればとても有効なむし歯予防方法ですが、その性質上、虫歯ができやすい時期・虫歯ができやすい場所にするのがいいと言われています。そのため、通常は子供の第一大臼歯に施されることが多いです。子供の第一大臼歯は、六歳臼歯ともよばれ、6歳頃には萌出し始めてきます。この時期は、まだ子供が自分で満足に歯のケアをすることができないことが多く、虫歯になりやすいのです。また、第一大臼歯は、永久歯ではなく乳歯だと勘違いされている方もいますので、親の方もこの歯に対する注意が重要になります。
骨粗しょう症の薬、骨を丈夫にする薬と歯科診療 (2011年3月)
最近、骨粗しょう症の薬、骨を丈夫にする薬を服用している患者さんに抜歯などの治療を行った場合、頻度はそれほど高くはないとされていますが、まれに重篤な顎骨壊死を引き起こす可能性があります。そのため、骨粗しょう症の薬、骨を丈夫にする薬を服用している方は必ず担当医にお話しすることを本院ではお願いをしております。
◎骨粗しょう症の薬、骨を丈夫にする薬の種類によっては、歯・歯肉の治療に影響することがありますので必ず申告してください。また、抜歯などが当院ではできない場合がありますすが、当院ではかかりつけの医師と相談のうえ、治療させていただきます。
薬剤名
ダイドロネル (大日本住友製薬)
フォサマック (万有製薬)
ボナロン (帝人ファーマ)
アクトネル (味の素/エーザイ)
ベネット (武田薬品工業)
リカルボン (小野薬品)
ボノテオ (アステラス製薬)
アレンドロン酸「DK」(大興製薬/日本ケミファ )
アレンドロン酸「SN」(シオノケミカル/科研製薬)
アレンドロン酸「タイヨー」 (大洋薬品)
上記の薬は、まれですが、治りにくい骨の炎症や骨の壊死(えし)を起こすことがあります。歯科を受診するときは注意が必要です。
日本の世代構造状況から見ての訪問歯科の重要性 (2011年2月)
現在の日本の全人口に占める高齢者の割合は、65歳以上が22%を、75歳以上が11%を占め、超高齢社会となっている。それが2035年にはそれぞれ30%、17%になるといわれています。現在から25年後には10人に3人が高齢者となる未曾有の社会が到来することになります。
東京都の人口は2020年をピークに減少していく見通しで、65歳以上の高齢者人口は増加を続ける見通しです。2005年229.6万人であったものが2035年には389.5万人に増加する(69.6%増)。それとともに、要介護(支援)認定者数も387万人から836万人に倍増することとなります(116%増)。当然歩いて歯科診療所にいかれない方が増えるので訪問歯科は国民の健康を守るためにも重要となるわけです。
歯科衛生士さんについて(2011年1月)
歯科衛生士は歯や口の病気の予防、歯科診療の補助や、歯・口の中の健康はもちろん、全身の健康についてのご相談をすることを主な仕事としています。
特に高山歯科医院では訪問歯科診療で口腔ケアを担っており、誤嚥性肺炎の予防に大きく貢献しております。
また、歯科衛生士登録者数 216,277名 (平成20年度 現在)歯科衛生士就業者数 86,939名 (平成18年度 現在)平成18年度の調査では、歯科衛生士は全国の様々な職場においても活躍しています。 今後高齢者社会に向けてますます重要度が増してくる職業です。
最近の歯周病についての考え(2010年12月)
(NPO歯科医学教育国際支援機構宮田隆理事長の講演より)
歯周病は感染による慢性の炎症です。
炎症とは、身体に侵入した外敵と私たちの細胞が戦っている状態です。
赤く腫れ、痛みがあり、場合によっては組織が破壊されます。歯周病にかかると歯茎(歯肉)が腫れ、出血したり、痛みを感じるのはそのためです。そして、もっとやっかいなことは、歯を支えている骨が破壊され、歯がグラグラになって噛めなくなってしまう事でしょう。
しかし、歯周病が本当に恐ろしいのは、歯茎のわずかな裂け目からものすごい毒性をもった細菌が身体の中に血管を通って侵入し、心臓や肺を
直接傷めることです。その他にも、糖尿病が悪化したり、早産の原因になったり、とても恐ろしい病気なのです。 歯周病は昔の言い方では歯槽膿漏。歯茎から膿が漏れる、そんな状態を言っていたのです。大昔からこの病気は人類を苦しめてきました。最近は歯周病の原因が強い毒性をもった細菌による感染症、ということが分かってきて、「歯周感染症」とも呼ぶようになりました。
口腔ケアで肺炎を防ごう!(2010年11月)
何度も原因不明の熱を出す人は要注意
急激に体を動かしたわけでもなく、寒い外気に触れたわけでもないのに、高齢者では突然熱を出すことがあります。熱がなかなか下がらず、なんとなく意識がもうろうとしている状態が続いて、医師の診断を受けると「肺炎」と診断される。
この怖い肺炎の原因のひとつが、口の中の汚れといわれております。
口の中の細菌が起こす「誤嚥性肺炎」で亡くなる高齢者がたくさんいます。
誤嚥性肺炎を甘く見てはいけません。日本人の死亡原因の4位である肺炎は高齢者に多く、65歳以上の高齢者が9割以上を占めています。このうち「誤嚥性肺炎」はかなり多くの割合を占めるとされています。肺炎はいわば窒息です。誤嚥性肺炎の原因の一つである口の中の汚れの除去を目的として口腔ケアをしっかり行いましょう!
口の中の汚れは命にかかわる誤嚥性肺炎を起こす(2010年10月)
誤嚥性肺炎はほとんどが寝ている間に起こる
口の中の食べかすやそれを餌にして繁殖した細菌の巣窟となっています。それが誤って気管から肺に入り、肺で病気を起こすことを「誤嚥性肺炎」といいます。
誤嚥性肺炎の起こり方は主に2つあります。
ひとつは食事中に飲食物が食道ではなく誤って気管に入るもの。たいていの場合はむせる事で気管から異物を吐き出そうとしますが、一部が気管に入ってしまうものです。
もうひとつは睡眠中気づかないうちに、細菌を含んだ唾液を誤嚥してしまうもので、こちらの方が多いといわれています。高齢者は気管支の線毛運動が弱いうえ、せきをする力も弱いため、気管に細菌が入っても出すことが出来ず、肺炎を起こしてしまいます。特に脳卒中(脳血管障害)の後遺症がある人や感染に対して抵抗力が弱い人、老化によって嚥下機能が低下している人などは要注意です。
嚥下障害の症状リスト
- 食べ物を飲み込みにくくなった。
- 飲み込みのとき痛みがある。
- 食べ物がよくのどに詰まる。
- よくむせる。
- 飲み込んだ時に声がかすれる。
- よく発熱したり肺炎や気管支炎を繰り返す。
(※嚥下障害とは物が飲み込みにくい事。)
安全に飲み込むためには姿勢が大事(2010年9月)
こんな姿勢では食べたくても食べられない!
誤嚥の予防にはまず正しい姿勢で食べることが大切です。
いくら座って食べるのが基本だといっても、危ない座り方もあります。一番危険なのは背もたれをリクライニングにし、そっくり返るような姿勢で食べることです。この姿勢でごっくんしてみてください。飲み込めないでしょう。この姿勢はあごが伸びるので飲み込もうとしてものどが上下に動きません。のどの上下の動きは、嚥下するときに気管にふたをして食べ物が気管に入らないようにする「嚥下反射」と連動しています。つまり、のどを動かせない状態は、気管が開きっぱなしになるということ。そこへ上から食べ物が流れ込むのは、誤嚥というよりも窒息状態になり大変危険です。
また、座っている高齢者に対して、介護者が立ったまま食事介助をすると、どうしても首を上に向けることになります。するとのどの上下動がうまくいかず、窒息する可能性があります。
食事介助は同じ目線に立ってというのは、心理的な意味だけではないのです。
のどに詰まりやすい食べ物(2010年8月)
麺類は短く切る
そばは勢い良くすすって食べるのが「粋」といいますが、高齢者では勢い余って誤嚥してしまう事があります。麺類などは、短く切るなど工夫をしてください。
一口大のたべものは危険
高齢者のごちそうと言ったらおすしや刺し身など。しかし、ぺろりと一口で口に入ってしまうけれど、噛まなくては食べられないものは意外にのどに詰まらせやすいものです。刺し身では、いかやたこなど噛み切りにくいものは避けましょう。こんにゃく、くずもち、かまぼこ、桃の缶詰なども要注意です。
口の中にはりつきやすいものに注意
おにぎりや巻き寿司を食べるときのに、のりが噛み切れなかったり、上あごやのどの奥に張り付いてしまう事があります。また、汁物に入ったわかめなども歯に張り付きます。
小さいものに注意
ごまは入れ歯と歯肉の間に挟まりやすく、のどに入ってしまいやすいので嫌がる人がいます。味が好きな人は練りゴマを使いましょう。また、大豆やピーナッツなどの豆類も小さいので息を吸い込んだ瞬間に気管に入ってしまう事があります。
のどに詰まりやすい食べ物、ワースト10
1. おもち 2. 刺し身 3. すし 4. 魚の骨 5. りんご |
6. かまぼこ 7. のり、わかめ 8. こんにゃく 9. ごま、豆類 10. カステラ |
合わない入れ歯の害は、食べられなくなることだけではない!(2010年7月)
合わない入れ歯の3つの害
合わない入れ歯を使い続けると、まず最初に起こる問題は食べられなくなる事です。入れ歯が痛くて食べられない、歯ごたえのあるものが食べられないというのは、高齢者から食べる楽しみを奪ってしまいます。
2つ目は食べられない事によって、エネルギーが不足することです。食は健康の源、食が細くなると体力や免疫力も低下してしまいます。
3つ目は合わない入れ歯を無理にして使い続けていると、食べたり話したりする事に苦痛を感じ、次第に口の機能を使わなくなってしまう事です。高齢者では使わない機能はすぐに低下します。入れ歯のせいで食べられない、話せないと思っていたらいつの間にか食べることや話すこと自体が出来なくなっていたということも起こります。
1つ目と2つ目の問題は、入れ歯を調整したり、新しく入れ歯を作ることでほとんどが改善します。しかし、食べる機能や話す機能が低下してしまうと、入れ歯を作り直すだけでは改善されず、口腔リハビリが必要になります。
入れ歯と上手に付き合うには、入れ歯には寿命があることを理解し、違和感を感じたら早めに歯科医師に相談して調整してもらいましょう。
特に入れ歯に不具合が無くても、半年から1年に一度くらいは入れ歯の定期健診をお勧めします。
口の中の汚れは命にかかわる誤嚥性肺炎を起こす (2010年6月)
誤嚥性肺炎はほとんどが寝ている間に起こる
口の中の食べかすやそれを餌にして繁殖した細菌の巣窟となっています。それが誤って気管から肺に入り、肺で病気を起こすことを「誤嚥性肺炎」といいます。 誤嚥性肺炎の起こり方は主に2つあります。
ひとつは食事中に飲食物が食道ではなく誤って気管に入るもの。たいていの場合はむせる事で気管から異物を吐き出そうとしますが、一部が気管に入ってしまうものです。
もうひとつは睡眠中気づかないうちに、細菌を含んだ唾液を誤嚥してしまうもので、こちらの方が多いといわれています。高齢者は気管支の線毛運動が弱いうえ、せきをする力も弱いため、気管に細菌が入っても出すことが出来ず、肺炎を起こしてしまいます。特に脳卒中(脳血管障害)の後遺症がある人や感染に対して抵抗力が弱い人、老化によって嚥下機能が低下している人などは要注意です。
嚥下障害の症状リスト
□ 食べ物を飲み込みにくくなった。
□ 飲み込みのとき痛みがある。
□ 食べ物がよくのどに詰まる。
□ よくむせる。
□ 飲み込んだ時に声がかすれる。
□ よく発熱したり肺炎や気管支炎を繰り返す。
(※嚥下障害とは物が飲み込みにくい事。)
次号へ続く
チェック! あなたの入れ歯はあっていますか? (2010年5月)
入れ歯が合わないと感じたら
日本人の入れ歯人口は約1000万人といわれています。そのうち、入れ歯が合わないと感じているのはなんと半数以上。程度の差はあるものの、多くの人が我慢したり、あきらめているのが現状です。しかし、合わない入れ歯は百害あって一利なし。違和感があったら我慢せず、歯科医師に相談して入れ歯の調整をしてもらいましょう。
問題のある入れ歯チェックリスト
□ あごを動かすと入れ歯がカタカタ鳴る。
□ 入れ歯をすると痛くてかめない。
□ 上の入れ歯が落ちてきたり、下の入れ歯が浮く感じがする。
□ 口内炎ができた。
□ 入れ歯の金具が舌にあたる。
□ 入れ歯を入れるときにきつくて入れにくい。
入れ歯に違和感があったら、我慢せず歯科医師に相談しましょう。
入れ歯も細菌の巣窟、手入れを怠らないように! (2010年4月)
出来れば毎食後に手入れを
一見きれいに見える入れ歯でも細菌はびっしりと付着しています。人工の歯なので虫歯にはなりませんが、汚れたままにしておくと黒ずんだり、いやな臭いを発生するようになります。毎食後入れ歯を洗うのが理想ですが、無理な場合は寝る前に一度ていねいに洗いましょう。
汚れが付きやすいところ
入れ歯には総入れ歯と部分入れ歯があります。総入れ歯で汚れが付きやすいのは、歯と歯の間、歯肉と密着する裏側の部分です。部分入れ歯は人によって大きさも形状も違い、複雑な形をしているので、汚れが付きやすくなります。特に金具の部分は汚れが溜まりやすいのでていねいに手入れをしましょう。
入れ歯の洗い方
毎食後歯磨き粉をつけずに歯ブラシまたは入れ歯専用ブラシで洗います(歯磨き粉をつけて洗うと入れ歯に細かい傷が付き細菌が繁殖しやすくなるので気をつけましょう)。 さらに2~3日に一度は入れ歯洗浄剤につけるとより清潔になります。寝るときは洗った後水の中に入れて保管しますが、水は毎日変えて清潔を保ちましょう。
入れ歯をきれいにしても歯肉や舌が汚れていては意味がない(2010年 3月)
残った歯を失わないように
部分入れ歯の人は、入れ歯を外したら歯と歯肉のブラッシングをします。歯がまばらになっている人は、1本づつていねいにブラッシングするのがコツ。特に入れ歯の金具がかかっている歯には汚れがつきやすいので、念入りにみがきます。これ以上歯を失わない為にも必ず続けましょう。
歯が1本もなくてもブラッシングを
歯が1本も残っていない場合でもブラッシングは必要です。入れ歯が接している歯肉には食べかすや細菌が付着しています。そのままにしておくと炎症や口内炎の原因になります。 ブラッシングをすると歯肉の汚れがきれいになると同時に、マッサージ効果で歯肉の血行がよくなります。
睡眠中は入れ歯を外し歯肉を休ませる
入れ歯を外すと合わなくなるから寝るときもつけている、という人が時々いますがこれは、歯肉にとっては良くありません。入れ歯をした歯肉は想像以上に負担がかかっています。特に面積が狭い入れ歯は、一点に大きな力がかかっているため血行が悪くなってしまいます。せめて寝ている間は歯肉を休ませましょう。また、小さな部分入れ歯は睡眠中に外れてのどに詰まり、窒息事故を起こしかねません。必ず外して寝ましょう。
口腔ケアの基本 (2010年2月)
口腔ケアの基本は歯と歯肉のブラッシング
基本はブラッシング
口腔ケアの基本は歯磨き、つまり歯と歯肉のブラッシングです。歯磨きの目的は次の2点。
(1) 口の中にたまった小さな食べかすや歯垢(プラーク)をきれいにし、微生物の繁殖を抑えて歯石がつかないようにする(プラークコントロール)。
(2) 歯肉を歯ブラシでマッサージすることで血行をよくする。
歯磨きは歯を磨くだけではない事がおわかりでしょう。歯がある人はもちろん、1本も無くなってしまった人でも、歯磨きを続けることが大事です。
上手な歯磨きのコツ
汚れを残さずきちんと磨くにはちょっとしたコツがあります。
(1) 自分の汚れやすい所を知る
口の中でどの部分が汚れやすいかは、歯並びや歯の健康状態によって違います。
歯並びがでこぼこになっているところ、歯と歯の間にすき間があるところ、治療で金属を詰めたところ、虫歯のあるところなどは、汚れがつきやすいので、念 入りに磨きましょう。
(2) 寝る前の1回は質の良い歯磨きをする
歯磨きは毎食後と寝る前の1回、つまり1日4回磨くのが理想です。しかし、生活習慣や体の状態によっては、理想通りにはいきません。せめて寝る前の1回だけでも、丁寧に磨くこと。睡眠中は唾液の分泌量が減り細菌が繁殖しやすいからです。
(3)
歯垢は歯ブラシの毛先を使って落とす
食べかすはうがいでも落とすことは出来ますが、ネバネバの歯垢はブラッシングでなければ落とせません。歯垢を落とすには力は要りません。弱い力で小刻みにブラシを動かすことで細かいすき間や溝に入っている歯垢がきれいになります。
磨く順番を決めて磨き残しを防ぐ
歯を磨く順番に特に決まりはありません。一般的には汚れがつきやすい所から先に磨くと磨き残しが少なくなります。前歯よりも奥歯から、歯の表面よりも裏側から、利き手の反対側よりも利き手側から磨きましょう。
高齢者の医療費や入院の食事代 (2010年1月)
非課税世帯は軽減されます
「1割」負担の保険証また受給者証を交付された高齢者であっても、非課税世帯の人は、申請により医療費の自己負担限度額や入院の食事代等の負担が軽減されます。
対象者:高齢者(原則70歳以上)の「保険証」または「受給者証」の「一部負担の割合」が「1割」で、市町村民税非課税世帯の人
軽減内容:入院先の病院や病状、条件によって軽減後の金額が異なります。
● 一部負担上限(高額療養費)の軽減(1ヶ月)
入院 44,400円 ⇒ 24,600円か15,000円
外来 12,000円 ⇒ 8,000円
● 入院中の食事代の軽減(1ヶ月)
23,400円~41,400円 ⇒ 9,000円~18,900円
● 入院中の居住費(光熱水費)の軽減(1ヶ月)
老齢福祉年金受給者 9,600円 ⇒ 0円
申請
「限度額適用・標準負担額減額認定申請書」で下記の窓口に申請します。
認定後は「限度額適用・標準負担額減額認定証」が発行されます。
後期高齢者医療の人(原則75歳以上) | 市区町村役場(後期高齢者医療係) |
高齢受給者証の人(70~74歳) | 国民健康保険は市区町村役場 社会保険・国保組合は各保険者 |
「現役並み所得」高齢者の医療負担 (2009年12月)
「3割負担」の高齢者も、収入によっては「1割負担」に戻ります
市町村民税の課税所得145万円以上の高齢者に「3割」負担の保険証または受給者証が交付されました。
しかし、収入が一定以下であれば、申請により「1割」の負担に軽減されます。
対象者・軽減内容
高齢者(原則70歳以上)の保険証または受給者証の「一部負担の割合」が『3割』で、 下表にあてはまる人。
【70歳以上が1人の世帯】 ※年収は、原則70歳以上の高齢者のみの収入で計算します。
収入(年収) | 年 齢 | 軽減内容 |
383万円以上 | 70歳以上 | 医療費負担 「3割」⇒「1割」 ※医療費の負担上限額も軽減 |
【70歳以上が2人の世帯】 ※年収は、原則70歳以上の高齢者のみの収入で計算します。
2人の年収合計 | 年齢 | 軽減内容 |
520万円未満 | 2人とも70歳以上 | 医療費負担「3割」⇒「1割」(二人とも) ※医療費の負担上限額も軽減 |
520万円以上 | 1人が70~74歳 もう1人が75歳以上 |
383万円未満の人のみ 同上 |
2人とも70~74歳 | 軽減なし | |
2人とも75歳以上 | 軽減なし |
申請
「基準収入額適用申請書」で下記に申請します。
後期高齢者医療の人(原則75歳以上) | 市区町村役場(後期高齢者医療係) |
高齢受給者証の人(70~74歳) | 国民健康保険は市区町村役場 社会保険・国保組合は各保険者 |
医療控除について 2009年10・11月
医療費控除とは
納税者が本人や家族のために支払った医療費が一定額を超えた場合、確定申告の際に所得から差し引くことが出来る制度です。
医療費控除の内容
前年(1月1日~12月31日)に支払った医療費自己負担の総額(世帯合算)が、「10万円」または「所得金額の5%」(どちらか少ない額)を超えた場合、最高200万円までの医療費控除が受けられます。
また、医療費が10万円以下でも対象になる事があります。例えば、収入が年240万円の公的年金だけの高齢者の場合、公的年金控除後の所得は120万円となり、その5%である6万円を超えた分が対象となります。
家族の分の医療費も合算できます!
納税者本人の医療費だけでなく、同一生計の親族(扶養親族でなくても良い)のために支払った医療費も対象になります。家族の中で一番所得の高い人が家族の医療費を合算して控除を受ける方が、還付額が多くなります。
医療費控除の対象となるものの例
・ 医師、歯科医師による診療費、医療費(不妊治療、インプラント、子供の歯の矯正等保険外診療も可)、入院費(高額な室料差額は不可)
・ 医師の診療を受けるための通院費(タクシー代はやむを得ない場合のみ)
・ 介護保険の医療系居宅サービス(訪問看護、デイケアなど)、医療系サービスと併用される福祉系居宅サービス(ホームヘルプ、デイサービスなど)の利用料 ・ 介護保険施設の利用料、食費、居住費(特別養護老人ホームは費用の半額)
・ 白内障の術後や弱視の視能矯正用など治療上必要な眼鏡の購入費用
・ 治療のためのはり、灸、あんま、マッサージ、柔道整復などの施術費
・ 療養上の世話のために家政婦などに支払う費用
・ 寝たきりの人のおむつ代(医師が発行した「おむつ使用証明書」が必要)
医療費控除の対象とならないものの例
・ 健康診断費用(異常が見つかり、通院、入院が必要になった場合には対象になる)
・ 通院のための自家用車のガソリン代、駐車代
・ 診断書料
・ 美容整形費用、予防接種費用
赤羽、志村坂上、小豆沢、北赤羽、浮間の歯医者・歯科
高山歯科医院 小豆沢診療所
診察時間:
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